火野葦平の河童曼陀羅

https://yasu-san.hatenadiary.org/entry/20180205/1518241718

より

【火野葦平の河童曼陀羅】

今、書店の棚の人気コーナーの一つが、“ホラーファンタジー”。毎月のように新刊や、名作のアンソロジーが発刊されている。妖怪、怪異譚の中で昔から人気のあるのが“河童もの”である。

泉鏡花、芥川龍之介、柳田邦男ほかの文化人たちがこれを好んで発表し愛読されている。

中でも、河童テーマの数々の短編作品を執筆したのが火野葦平である。一時は、「河童の葦平」とまで呼ばれて、人気を呼んだ。

その小説群が、現在、絶版品切れでほとんど読むことができない。そこで、今回、忘れられたようになっている火野葦平の「河童曼陀羅」から傑作を選び、その面白さを味わっていただく。

『河童曼陀羅』

「石と釘」

河童を封じ込めようとする山伏と河童の戦い。

「李花」

李の花(スモモ)に酔う河童たちの哀歓を描いて詩的な作品。

「白い旗」

壇ノ浦の海中に沈み河童となった平家一族、河童になっても源氏の白旗が怖い。

「海御前」

河童になった平家の女御が現在(昭和)まで生きていた。

「魚眼記」

河童に連れ去られ、河童に変身する少年の話。

「千軒岳にて」

火山の噴火によって滅びてしまう空飛ぶ河童の話。

「昇天記」

河童たちが空を飛ぶ悲願のため、猛訓練をする話。

「胡瓜と恋」

洞窟の中で、胡瓜を食べすぎ太って外に出られなくなった河童の恋の行方。

「皿」

河童版怪談「番町皿屋敷」。

<火野葦平(ひの あしへい)>

1907年(明治40年)〜1960年(昭和35年)。福岡県遠賀郡若松町生まれ。早稲田大英文科中退。一時文学から離れるが、1937年(昭和12年)応召入隊前に発表した「糞尿譚」で芥川賞を受賞。戦時中は、「麦と兵隊」を始めとする戦記小説でベストセラー作家に。戦後の代表作は、1957年(昭和32年)、河童もの全43篇を集大成させ刊行された。

http://www4.nhk.or.jp/roudoku/315/

この四季社版。当時で 2,000円もした豪華本。昭和32年(1957年)5月10日発行。

限定部数 1,200冊の内、本書は即ちその第 405冊也、というキコウ本を県図書館から借り出してまいりました。

上製布貼、背革で、天金が施されていて(おそらく函入りであったのでしょう)、こんな本を貸し出して貰って本当に良いのでしょうか、大感激です。

タイトルは赤、葦平さんと交友のあった文人の河童のイラストが緑、で印刷されています。

国書刊行会の復刻版。平成11年7月刊(15,000円)。

「原本に忠実な復刻を旨としたが、装幀は改めた」「211頁の画は、原本では丹羽文雄氏画となっていたが、氏の御記憶がないとのことであったため、氏の名前は削除し、画はそのまま載せた」とあります。

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