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【秋の風、呼び名をご紹介!】
風の名前は春夏秋冬あわせてなんと2000以上も存在するのだとか。
名付け親は昔の漁師や農家の方たちだそうです。
漁師や農家の方にとって、毎日の暮らしに風は非常に深い影響を及ぼしていたもの。
それだけ自然と深い関わりがあったことが想像できます。
その地方にしか存在しない風の名前もあるそうです。
俳句の季語や時候の挨拶にも使われることのある風の名前から、秋にちなんで秋の風をいくつかご紹介します。
金風(きんぷう)
黄金色の稲穂をそよそよとゆらす風を表現してつけられた「金風」。
名前を聞くだけで穂がやさしく揺れる情景が目に浮かぶ、とても美しい呼び名ですね。
野分(のわき)
かつては台風のことを野分と呼んでいたそうです。
野分という音の穏やかさからはあまりイメージがわきませんが、野を分けながら台風に伴って吹く秋の暴風を指します。
今でこそテレビやインターネットで詳しい台風情報を得ることができますが、
大切な農作物を命がけで守る当時の農家の方たちにとって、野を分けるほどの強風はどれだけ大変なものであったか…と改めて考えさせられました。
木枯らし
10月下旬頃から11月にかけて冷たく吹く風を「木枯らし」といいます。
北より風速8メートル以上の風が吹くことを、気象庁では「木枯らし」と認定しているそう。
天気予報で「木枯らし1号」の発表を聞くころになると、いよいよ本格的な冬支度ですね。
つむじ風
名の通り、渦のように巻く風のこと。
よく晴れた日などに地面が温まることで発生しやすくなるそうです。
つむじ風よりも規模が大きなものが「竜巻」となります。
おろし
六甲おろしや赤城おろし、という言葉を聞いたことがあるかと思います。
おろしは漢字で「颪」と書きます。
下と風という文字のつくりから成り立っているように、山や丘から吹きおろす冷たい風という意味を持つそう。
吹きおろしてくる山の名前がつくことが多く、その土地での風の強さを表現するのに使われています。
秋風とともに移ろう季節を楽しもう
今回ご紹介した風の呼び名はほんの一部です。
名前を耳にするだけで風の吹くさまや周りの様子までがありありと浮かび、日本語の表現の豊かさに改めて感心させられます。
他の季節の風の名も情緒あふれる音の響きを持つものばかり。
改めて別の機会にご紹介したいと思います。
皆さんも風を感じたら、ぜひとも風の姿や香り、そして名付けた昔の人たちの想いを感じてみるのはいかがでしょうか。
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