過呼吸

足引きの山の息吹の狭霧かな  高資

岩舟や霧立ち登り雲となる  高資


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◉過呼吸 とは?

● 呼吸循環系や血液の異常がなくても,中枢神経の病変によって呼吸中枢の興奮性が異常に高まった場合にも息ぎれを生ずる。心身症の息ぎれは,発作的に呼吸の深さ,数が増加し,二酸化炭素が体内から洗い出されて血液がアルカリ性となり,手足のしびれ,痙攣 (けいれん),失神発作まで起こすことがあり, 過呼吸症候群hyperventilation syndromeと呼ばれる。 (ネット百科より)

●こむらがえりを過換気症候群hyperventilation syndrome (過呼吸症候群ともいう) の一つとする考えもある。水泳中には,なるべく息を吸い込もうとして過呼吸になり,酸素のとり過ぎになりやすい。血液には必要量の酸素が含まれていることがたいせつだが,酸素をとり過ぎて炭酸ガスが少なくなると,血液は強いアルカリ性に傾きカリウムが減少する。カリウムがなくなると,筋肉は興奮して痙攣が発生することになる。夜間に発生するこむらがえりも,昼間の過労で疲れはてて寝込んでいるときに,こわい夢などにうなされたための過呼吸による酸素のとり過ぎが原因ということになる。     (ネット百科より)

  医療の現場ではなんだかのストレスが加わったときに酸素を取り過ぎることが 過呼吸の原因だと説明することが多いようです。

しかし、吸う息と吐く息のバランスがなんだかの要因で崩れ、酸素を多く取り入れない場合でも結果的に二酸化炭素が体内から減少してしまえば過呼吸になってしまうことに、もっと注目したいと私は考えます。

 ◉過換気症候群「取りこめ」と「手放すわけにはいかない」

 ここで改めて呼吸の意味について記します。

吸う息は「受け入れる」「受け取る」という意志や積極性とかかわっています。

吐く息は「手放す」「与える」という放棄や委ねる質とかかわっています。

過呼吸は上記の二つの引用のように二酸化炭素が減少しすぎる場合と酸素を取りこみ過ぎることから起きるとするならば、これに呼吸の意味を重ねて合わせて考えてみましょう。

 酸素を取り入れすぎるということはその時の意識が吸う息に比重を置いているからでしょう。「受け入れねばならない」「受け取るべきだ」「取りこめ」との強迫観念にも似た意識が働いている可能性があると言えるわけです。

ではどうして、吐く息は吸う息と同等の深さ早さにならないのでしょう。

この呼吸のアンバランスさを説明するためには過呼吸になった人がもともと吐く息を制限している可能性について考えてみなければなりません。

  つまり、「うまく手放せない」「手放しがたい」「手放すわけにはいかない」という観念が働いていないかどうかについて考えてみる必要があるのです。

 先の怖い夢のことでいうと、怖さや不安や焦燥感をうまく手放せない場合、吐く息は止まっています。

しかも怖れの体験は受け入れたくはないですから、吸う息も止めてしまいます。

この両方の経路を封じ呼吸を止めてしまう状態が続くとパラニックに陥ることでしょう。そこで慌てて呼吸をしなければと、身体が反応するわけです。いままで酸素の供給不足によって余儀なくされた苦しい思いを一気に正常な状態へ戻す必要があります。

まるで海で溺れかけている人のように、アップアップと。

このとき以外に吐く息のことを忘れてしまいがちです。

「吸わなければ吸わなければ」という意識が強く働きすぎるからです。でないと死んでしまうかに思えます。

 ◉過呼吸「受け入れがたい」と「手放してしまえ」

受け入れがたい」と「手放してしまえ」

 もう一つ過呼吸になる別の状況を考えて見ましょう。

血中の二酸化炭素濃度が酸素濃度よりも低くなる可能性は他にも考えられます。

それは、酸素量よりも炭酸ガス量が多く吐き出される可能性です。

この場合の過度に吐き出さずには居られない呼吸の意味を考えてみると、「これ以上は受け入れがたい」と、吸う息を制限し、「手放さずにはいられない」「一気に手放してしまえ」「これ以上は抱えきれない」と、吐く息を大量に押し出すいう本人にとって危機的状況が差し迫っていることがわかってきます。

実はこの現象はかつて封じこめてきた感情が出口や終焉を求めて暴走し始めたとも言えるでしょう。

感情を「手放す」こと「表わすこと」に罪悪感を持っている人達は、日常では 吐く息を制限することで自分自身を表わすまい、手放すまいとしてしまいます。

これが限界に達してこれ以上は留めてはおけない感情がある場合、呼吸のほうから先に体内に溜まってしまった炭酸ガスを手放すことで、感情とともにエネルギーを解放しようとするわけです。

過呼吸は以外にも感情を手放すことを許していない人のための、呼吸みずからが起こすヒーリング(解放)のプロセスなのです。

  私はあるとき、変わった笑い方をする人に合いました。

『ひゅっー、ひゅっー』と短時間に押し出すような口笛ともつかない乾いた音を出す人でした。話をしている相手の相槌をうつかのように会話の合間合間に『ひゅっー、ひゅっー』と聞こえてきます。

そう、私はその人を見ているわけではなく、正確にいうと聞こえてくる『ひゅっー、ひゅっー』を勝手に笑っているものだとばかり思っていたわけですが、ワンパターンの奇妙な反応に好奇心が覚醒し、ついに見てみました。

 すると彼は、シリアスな顔してニコリともせずにただ『ひゅっー、ひゅっー』と息を吐いています。そして時折顔の筋肉をぴくぴくとひきつけているではありませんか。『顔面神経痛かな』と思いながら彼がとても深刻な状況にあるらしいことが察せられました。

 彼がもし顔面をひきつらせずに、あるいは『ひゅっー、ひゅっー』と息を吐かずにいればきっと発狂するだろうと感じました。彼なりの手放し方でストレスに対処している姿はいたいたしいものでしたし、見ているだけで息苦しさがこちらにも伝わってきました。私が彼に悟られないように大きく呼吸したのは、意識的な呼吸を心がけていたおかげでした。

 彼に向かって話している人は、とてもお喋りで自分の話したいことを一方的に手放すことに専心していたため、幸いなことにその彼の息に合わせることをせずにすんでいたわけです。

 実は『ひゅっー、ひゅっー』と短く一瞬にして吐き出す手放し方は、このおしゃべりな人間から感じられるストレスを無理矢理手放す方法でもあったのです。

 ◉過呼吸 はヒーリングのプロセス

 どんな形であれどんな方法であるにせよ、手放すことを許さないと、手放すタイミングを失い出口を失った感情が暴動を起こします。

   過呼吸症候群の場合、呼吸のシステムそのものが、感情をうまく手放さずにいる御主人様に成り代わり、手放しきれていない古いエネルギーである二酸化炭素を一生懸命吐き出そうとする機会を作っているといえます。

 このとき、出口を求めている感情にもフォーカスを当てて、忍耐を持って開放されたがっているエネルギーのいくすえを見守ることが出きれば、やがて吸う息へのフォーカスも促せるはずです。少しづつ大きな呼吸の環を作り出していけばいいわけです。

 残念ながら過呼吸を起こした本人は、それがヒーリングの一プロセスであることは知る由もないわけですから、突然の出来事にパニックを起こしてしまいます。

このときパニックを体験することで不安と恐れの感情が加わります。パニック障害の人たちにとっては死のイメージを喚起させるほどの不安と恐れの感情であることでしょう。

 癒しの始まりがパニックの始まりとして誤解されるとは何と皮肉なことでしょう。

 医者や看護婦が過呼吸の患者にマスクをかけて二酸化炭素が過度に出ていかないように処置するするだけでなく、『何があったのですか?手放しがたい感情は何ですか?』と後でゆっくり聞くことができたなら、2度目の発作は防げる可能性は高いといえるでしょう。

 これまでに過呼吸の人を実際にセラピーした経験からいうと、これらの人は過呼吸が起こる前に受け入れがたい状況のなかに身を置き、手放し難い感情体験をしています。

 アメリカである小学校の一クラス全体が過呼吸状態になったとの報告を聞いたことがあります。日本でも小学生が修学旅行の帰宅途中の新幹線で車両全体がハアハアとため息だらけになっていったと20年前TVニュースで報道されたことがあります。

どちらも一人の生徒が大きなため息をつき始めたことが呼び水となり、ため息の波紋がまたたくまに全体に広がっていったそうです。キャスターは原因は不明だと締めくくりました。

 アメリカの教室で起きた集団過呼吸は、学習から生まれるストレスを吐き出し始めたらとまらなくなった一人の生徒から端を発し、それが他のストレスを抱えていた生徒にも伝染していった結果だといいます。

しかし、全員が同じストレスを手放そうとしたのかどうかは不明です。それぞれの個人的な事情があっただろうことは推測できます。

 両国の小学生も一気に手放さなければいけないくらいのストレスをそれぞれに抱えていて、限界ぎりぎりで手放す機会に恵まれたといえるでしょう。

このような状況にでくわすと、周囲の人間の方が息苦しくなったことでしょう。なぜなら受け入れがたい状況を目の前に呼吸を止めたにちがいないからです。

ひょっとすると過呼吸に対処する一部の医師や看護婦にも同じ現象が起きているかもしれません。

 誰かの呼吸は誰かの呼吸へと知らぬ間に響き合っていたりします。

そして、そのリアクションはその人の受け入れる質、手放す質の如何に関わっています。

 もしも、そのような現場にあなたが居合わせたら、自分の呼吸は確保した上で、是非こういいましょう。

 『さあ、呼吸して・・・パニックを自分から作り出す必要はないですよ。大丈夫だから、呼吸を続けて』と。

 そして、封じ込めたエネルギーが出口を求めて流れ出すのを許しましょう。

https://daybook.jp/1min/article/%E7%AC%AC%EF%BC%99%E5%9B%9E%EF%BC%9A%E5%90%90%E3%81%8F%E6%81%AF%E3%81%AB%E6%84%8F%E8%AD%98%E3%82%92%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%81_%E8%87%AA%E5%BE%8B%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%8C%E8%AA%BF%E3%81%86

【吐く息に意識を向けてみると、自律神経のバランスが調う】

えっ、「パニック障害」?

 30代前半のころ、飛行機の中で突然手足の感覚がなくなり、呼吸をするのもやっとという状態になったことがあります。そのうち、目の前が真っ暗になり、猛烈な吐き気とともに、気を失いそうになりました。突然の出来事に驚きながらも、「あぁ、なかなかいい人生だったなぁ」などと呑気に構えているうちに、症状はだんだん良くなっていきましたが、けっきょく原因はわからずじまい。現地に着くころにはすっかり元気になっていたので、その後はしばらく忘れていたのですが、それから数日後、飛行機の中でまた同じような症状が現れたのです。その後も、飛行機に乗るたび同じような体験が続いたことから、知り合いのお医者さんに聞いてみたところ「パニック発作」に似た症状であることがわかりました。「パニック発作」は、電車や飛行機など閉鎖的な空間で起こることが多く、突然、動悸や息切れ、吐き気、手足のしびれなどが現れるもので、慢性的にかかるストレスが原因ともいわれています。

 当時は年間100回以上飛行機に乗っていましたから、3日に1回は同じような症状が出るわけで、さすがにこれはなかなかたいへんでした。

「腹式呼吸」の効用

 「なんとかこれを克服するいい方法はないものか…」

 そんなとき、ふと思いついたのが「腹式呼吸」。ラジオの健康番組でパーソナリティーをしていたときに、相方のアナウンサーが「気持ちが落ち着いて、からだもラクになる」と言っていたことを思い出したのです。

 試しに、予兆の段階で行ってみたところ、症状が現れる前にスーッとラクになりました。以来、発作が起きそうになるたび、腹式呼吸を繰り返しているうちに、予兆さえもなくなってきたのです。

 腹式呼吸のような深い呼吸には、心身をリラックスさせて、慢性的なストレスを解消させる効果がある、ということを身をもって体験したのでした。

こころとからだは、呼吸とつながっている

 呼吸が、こころとからだの状態に大きな影響を与えていることは、近年、末梢血管の血流量を測ることができる機械によって医学的にも証明されています。

 ゆったりとした深い呼吸をすることによって、血液が末梢まできちんと流れ、心身がリラックスする、ということが明らかになったのです。

 「息」という字は、「自らの心」と書きます。

 こころが穏やかでリラックスしているときの、ゆったりとした深い呼吸は、こころとからだを健康へと導いてくれるんですね。

実践!1分間健康法

 「呼吸」は、読んで字のごとく「吐いてから吸う」もの。

 赤ちゃんが「オギャーッ」と泣いて(息を吐いて)生まれくるのも、亡くなるときに「息を引き取る」と言うのも、「吐いて始まり、吸って旅立つ」という呼吸の法則そのものです。呼吸法では「吐く息に意識を向ける」ことが大切なポイントになります。

ポイント1

息を吐く時間は、吸うときの2倍くらいの長さを目安に始めてみましょう。ヨガや気功などの呼吸法に共通する「吐く息に意識を向ける」ことが大切です。

ポイント2

息を吐くときにお腹をへこませて、吸うときに膨らませる「腹式呼吸」。

息を吐くときにお腹を膨らませて、吸うときにへこませる「逆腹式呼吸」。 どちらでも、心地よく感じる方法で行ってください。

天と地を結ぶ呼吸法

まずは1分間(2~3回)を目安に行ってみましょう。慣れてきたら、心地よく感じる範囲で繰り返してください。

足を肩幅くらいに広げて立ち、リラックスして全身から無駄な力を抜きます。

軽く数回ジャンプする(またはゆする)と、ほどよく力みが抜けて自然体になります

自分の中の「気」を、足の裏を通して地球に還(かえ)すようなイメージで、なるべく長く、ゆっくりと息を吐きます。

からだは地球の成分でできていますから、体内の情報を「還(かえ)す」イメージです

自然に入ってくる息は、頭頂から「天の気」が入り込んでくるイメージで体内へ迎え入れます。

「人間」が、天と地の「間」で気の媒介をしているようなイメージです

これを「気持ちいい」と感じる範囲で数回繰り返します。

終わったら、天と地の気をいただいたことに感謝しながら、丹田(たんでん:へその下あたり)に両手を重ねて意識を向け、こころを静めます。

 「吐く」という字が「口に土」と書くのは「口」に表現される呼吸と「土(地球)」が、大気を通じてつながっていることを表しているのだと思います。

 自分と地球は「呼吸」によってつながっている、そして、天と地の間で「呼吸」を通して気の媒介をしている…。

 そう考えると、呼吸によってすべての存在とつながっていることが実感できます。

 天は、いちばん身近な「呼吸」が自然の摂理を教えてくれるように、からだの仕組みを創ったのかもしれません。

 息だけに、なかなか粋(いき)な計らいですね(お後がよろしいようで…)。

参考文献:『医者いらずになる 1分間健康法』帯津良一・鳴海周平著(ワニ・プラス)

コズミックホリステック医療 俳句療法

吾であり・宇宙である☆和して同せず☆競争ではなく共生を☆

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