室根山と朝日
https://www.wacoal.jp/pw/suyasuya/201801/post-5.html
【毎日を充実させる睡眠の法則5・朝は目覚めたら窓から1m以内に入る】 より
ぐっすり眠れるのも寝つけないのも光のせい?
朝の光を見ると目が覚めて頭がさっぱりした、という経験はありますか?
もしあれば、光に対する感受性が高い遺伝子をお持ちなのかもしれません。
このような方は、網膜の細胞が豊富で、光の影響を強く受けるので
朝の光を見ると目覚めて、その16時間後の夜に眠くなるリズムが整います。
しかし、日当たりの悪い部屋に引っ越したり
光が得られない環境になると、目覚めも寝つきも悪くなってしまいます。
良くも悪くも、光が睡眠に影響するので、
意識して脳に光を届けてみましょう。
1日の長さを決めるメラトニンリズム
睡眠のリズムをつくる物質の1つに、メラトニンがあります。
光でつくられるのが、メラトニンという物質がつくるリズムです。
メラトニンは、1日の長さを決めています。
1日はみんな24時間じゃないの?、と思われるかもしれませんが、
体内時計が刻む時間は、みんなそれぞれ微妙に異なっていて、
23時間台の人もいれば25時間台の人もいます。
日本人の平均は、24.2時間とされています。
脳に光が届くとメラトニンの分泌がストップして、
その時点から体内時計がスタートします。
毎朝スタートがそろえられることで
24時間に合わせて生活することができるのです。
メラトニンをストップさせるには、
1,500~2,500ルクスの明るさが必要です。
通常、部屋の中の明るさは500ルクス程度。
自分は目覚めたつもりでいても、部屋の中央あたりで過ごしていたのでは、
メラトニンの分泌はストップせず、体内時計のスタートが遅れてしまいます。
そこで、目覚めたら、窓から1m以内に入るようにしましょう。
窓から1m以内ならば、3,000ルクス程度の十分な光が得られます。
日光を浴びるのに、紫外線が気になる人もいるかもしれませんが、
直射日光を浴びる必要はありません。
明るいところにいるだけでよいので、
目覚めたらリビングなどの窓際で過ごしてみましょう。
メラトニンリズム
何も意識せずにリズムを整える生活動線をつくろう
「光を浴びよう!」と意識しても、なかなか長続きはしません。
大切なのは、何も意識しなくても脳に光が届く生活動線をつくることです。
窓際1m以内の場所で、新聞を読んだりスマホをチェックしたり。
歯磨きやメイクなど、どんなことでもよいので、
毎朝していることを、その場所で行うようにしてみましょう。
光によってメラトニンをストップするには、目覚めた直後が最も効果的です。
仕事に行く日は家を出る前に、外出する予定がない日でも、
窓から1m以内に入って、1日をスタートさせましょう。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-062.html
【メラトニン(めらとにん)】 より
松果体から分泌されるホルモン。下等動物からヒトまで、季節のリズムや概日リズム(サーカディアンリズム)の調節作用をもつ。
メラトニンは、脳内の松果体において生合成されるホルモンです。
網膜から入った外界の光刺激は、体内時計(生物時計・視交叉上核)を経て松果体に達します。明るい光によってメラトニンの分泌は抑制されるため、日中にはメラトニン分泌が低く、夜間に分泌量が十数倍に増加する明瞭な日内変動が生じます。
ただし昼夜の区別のない環境(窓のない密室内など)でも、体内時計からの神経出力によって昼高夜低の日内変動は続きます。逆に強い照明(1000ルクス、コンビニの店内など)を浴びれば、夜間であってもメラトニン分泌量は低下します。すなわちメラトニンは体内時計と環境光の両方から調節を受けています。
多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。
メラトニンには催眠作用があるため、欧米では睡眠薬としてドラッグストアなどで販売されており、日本でもインターネットで並行輸入が可能です。しかし、一般的にメラトニンの催眠作用は弱く、寝る前に服用しても寝つきは若干良くなるものの、不眠症の改善効果は乏しいことが分かっています。
非24時間睡眠覚醒リズム・睡眠相後退症候群・交代勤務睡眠障害・時差症候群などの概日リズム睡眠障害(睡眠・覚醒リズム障害)に対してはメラトニンが有効ですが、メラトニンのリズム調整作用を十分に引き出すには特殊な時間帯での服用が必要です(寝る前ではありません。時間帯を決めるには睡眠検査が必要です)。
http://www.t-pec.co.jp/health-news/2013/03.html
【朝日を浴びて体内時計をリセット】
「日の出前に出勤し、日中はオフィスにこもって出歩くことがない」「休日も明るいうちは外出することがない」といった一日中ほとんど日光にあたらない生活や、「夜遅くまで、明るい照明の下で仕事をしたり、パソコンのディスプレイやテレビ画面などを観る」といった夜の時間帯に強い光を浴びるような生活を続けると、「体内時計」が乱れやすくなります。体内時計の乱れは、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす危険性が高まり、体にさまざまな悪影響を及ぼすことがわかっています。
体内時計の重要性を知り、上手にコントロールして、健康ではつらつとした毎日を送りましょう。
体内時計は体温、血圧、ホルモン分泌などの生体リズムを調整している
ヒトの体には、ふだん時間などを意識しなくても、朝に目覚め、日中は脳も体も活発に活動し、夜になると体が休息を求め眠りにつくというような、自然に備わっているリズムがあります。このようなおおよそ24時間で繰り返されるリズムを「概日リズム(日周リズムあるいはサーカディアンリズムともいう)」といいます。
ヒトの体には概日リズム(睡眠と覚醒、体温や血圧・脈拍の日内変動、ホルモンの分泌など)のほかに、90分周期のリズム(レム睡眠とノンレム睡眠など)、30日周期のリズム(月経、皮膚の新陳代謝など)、1年周期のリズムなど、一定の周期を刻むさまざまなリズム(生体リズム)があります。体内で日々繰り返し行われるさまざまな生体リズムの活動は、生命を維持していくためのたいへん重要なシステムといえます。
これらの生体リズムを調整する役割を担っているのが「体内時計」です。
体内時計は朝の太陽の強い光によってリセットされる
近年、体内時計は皮膚、肝臓、心臓、血管などあらゆる部位にそれぞれ備わっており、その体中に備わっている体内時計に指令を出しているメインの体内時計が、視床下部の視交叉上核(しこうさじょうかく)という部分にあることがわかってきました。視交叉上核にある体内時計は他の体内時計をコントロールする働きを持っていることからマスタークロック(主時計)と呼ばれています。
実は、生体リズムのそれぞれの周期は機械の時計のように正確ではありません。たとえば、概日リズムの周期はちょうど24時間ではなく24時間数分~数十分であり、個人差があります。これが、概日リズム(おおよそ1日のリズム)と名づけられている理由なのですが、この数分~数十分の周期のずれを修正しないままでいると、24時間かけて自転する地球の周期(生活サイクル)とどんどんずれていくことになります。
このずれを生活サイクルの周期と合わせるように修正するカギになるのが朝の太陽の光です。朝日を浴びることで眼から入った太陽の光の情報を、網膜を通して視交叉上核が受け取ると、視交叉上核にある体内時計がリセットされ、24時間という一定のリズムに調整されるのです。リセットされた情報は、すぐさま全身の体内時計に伝達されます。
体内時計の乱れは高血圧や糖尿病などの誘因にも
不規則な生活を送ることで体内時計は簡単に乱れてしまいます。体内時計の乱れに最も影響を受けやすいのが睡眠です。
朝の強い光の情報によって体内時計がリセットされると、その信号により眠りを促す睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が抑制されます。メラトニンは抑制されてから14~16時間後に再び分泌され始め、メラトニンの分泌量が増えるとその作用で深部体温が低下し眠くなります。これが「朝の強い光」と「体内時計」と「睡眠」の正しい関係です。ところが、夜中に照明やパソコン・テレビの画面などの強い光を浴びてしまうと、夜にメラトニンの分泌量が減少することになり、睡眠覚醒リズムが乱れ、不眠などの睡眠障害の原因となります。
不眠は、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病などに悪影響を及ぼし、また、脳卒中や心筋梗塞など命にかかわる病気を引き起こす危険性も高まります。
体内時計の乱れは、睡眠だけではなくホルモンバランスや自律神経の働きのリズムにも影響を及ぼし、食欲や意欲の減退などの体調不良を引き起こしたり、骨粗しょう症、がん、抑うつなどの原因になったりすることがわかっています。
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体内時計を、毎朝、一定の時間にリセットすることが、健康の維持には大切です。そのためには、「朝起きたら必ず朝日を浴びる」「日中はできるだけ外出して光を浴びる時間をつくる」「夜は強い光をできるだけ浴びない」など、生活に光のリズムを取り入れる工夫をしてみましょう。
また、「起きる時間を毎朝一定にする」「朝食は毎日欠かさずとる」「3食規則正しい時間にとる」などの生活リズムを整えることも体内時計の乱れを防ぐためには大切です。
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