2019新型コロナウイルス

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【2019新型コロナウイルス】  より

名称

2020年1月7日、世界保健機関 (WHO) は、中国武漢で発生している疾患の原因であるウイルスを2019-nCoV(2019 novel coronavirus の略称)と暫定的に命名した。この呼称は厚生労働省公式ウェブサイトのほか、国立感染症研究所作成の「病原体検出マニュアル 2019-nCoV」と、これを基にした「2019-nCoV 遺伝子検査方法」にも使用されているため、体外医薬品の名称などにみられる。

同年2月11日、国際ウイルス分類委員会 (ICTV) がSARS-CoV-2(Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 の略称)と命名した。

日本では単に「新型コロナウイルス」と呼ばれる。

疾患の名称

WHOは2020年2月11日、新型コロナウイルスによる疾患をCOVID-19(Coronavirus disease 2019 の略称)と命名している。

アメリカなどでは発生地の名前を付けて「武漢ウイルス」「中国ウイルス」などと呼ぶべきと主張する意見が出るなど論争となっている。

分類と系統

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、ゲノムとして一本鎖プラス鎖RNAを持つ、コロナウイルスに属している。この仲間は哺乳類や鳥類に感染する非常に多数の種を含むが、人に感染症を引き起こすものだけでも、重篤な肺炎の原因となるSARSコロナウイルス (SARS-CoV) やMERSコロナウイルス (MERS-CoV) 、季節性の風邪を引き起こすヒトコロナウイルス229E (HCoV-229) やHCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1などがある。SARSコロナウイルス-2は、2019年に、ヒトに対して病原性を有する7番目のコロナウイルスとして出現した このウイルスは国際ウイルス分類委員会 (ICTV) により、SARSコロナウイルス (SARS-CoV) と同じ種(の姉妹系統)と見なされており、ベータコロナウイルス属のSARS関連コロナウイルス (SARSr-CoV) という種に属している[5]。ただし、SARSコロナウイルスの直接の子孫ではない。元々コウモリなどの野生動物が保因していたものが、それぞれ独立してヒトに伝播、ヒトへの感染能力を獲得したと考えられている。

2020年3月26日には、マレーセンザンコウからゲノムが85〜92%類似するコロナウイルスが発見されており、これらはよりSARSコロナウイルス-2の祖先に近いと考えられる。

ゲノム配列

このウイルスの完全ゲノム配列は上海公共衛生臨床センター、武漢中心医院、華中科技大学、武漢市疾病予防控制中心、中国疾病予防控制中心感染症予防管理所、中国疾病管理予防センター、シドニー大学らの協力によって解読され、シドニー大学のエドワード・C・ホルムズ教授の協力の下、上海公共衛生臨床センターの張永振教授によって2020年1月11日に Virological.org 上に公開された。

その後、1月14日には国際核酸配列データベースGenBankで正式に公開されている。他種のコロナウイルスと比較すると、中国浙江省舟山市のコウモリから発見されたSARSウイルスに一番近く、コウモリSARSウイルス、ヒトSARSウイルス、ジャコウネコSARSウイルスとも80%近くの類似度を持つことが、香港大学微生物学科感染症専門の袁国勇教授により報告されている。

構造

アメリカ疾病予防管理センターが作成したSARS-CoV-2の外観図

赤い突起:スパイクタンパク(S)

灰色の被膜がエンベロープ、主成分は脂質で、アルコールや石鹸により破壊できる。

黄色の付着物:エンベロープタンパク。

オレンジの付着物が膜タンパク質。

ウイルス粒子(ビリオン)は、50〜200 nm(ナノメートル)ほどの大きさである。一般的なコロナウイルスと同様に、S(スパイク)タンパク質、N(ヌクレオカプシド)タンパク質、M(膜)タンパク質、E(エンベロープ)タンパク質として知られる4つのたんぱく質と、RNAにより構成されている。このうち、Nタンパク質がRNAと結合してヌクレオカプシドを形成し、脂質と結合したS、EおよびMタンパク質がその周りを取り囲んでエンベロープを形成する。エンベロープの最も外側に位置するSタンパク質は、細胞表面のACE2受容体に結合して細胞への感染を可能とする。ヒトへの感染にACE2受容体を利用する点はSARSコロナウイルスと共通しており、DPP-4受容体を利用するMERSコロナウイルスや、アミノペプチダーゼN(英語版) (APN) を利用するヒトコロナウイルス229Eとは異なる。ウイルスゲノムは29,903 塩基で、一本鎖プラス鎖RNAウイルスである。

タンパク質やRNAのSARSコロナウイルスとの相同性は、Sタンパク質が76.0%、Nタンパク質が90.6%、Mタンパク質が90.1%、Eタンパク質が94.7%、RNAが80%となっている。一方で同じベータコロナウイルスの中でも別種のMERSコロナウイルスとは、それぞれ4.6%、7.6%、6.3%、30.5%、50%しか一致していない。

SARSコロナウイルス-2には、SARSコロナウイルスと異なり、Sタンパク質に感染力と病原性を高めるフーリン切断部位が存在する。これはサルベコウイルスの中では他に例が無いが、コロナウイルス科全体で見れば珍しいものではなく、多くのマウス肝炎コロナウイルス(MHV-JHMやMHV-A59)やヒトコロナウイルス(MERS-CoV、HCoV-OC43)などが同様の部位を保有している。

複数型の存在

中国からの報告

2020年3月、このウイルス(中国内外の103例)を北京大学など中国の研究チームが遺伝子解析した結果、コウモリ由来のウイルスに近く古くからあるとみられるS型(全体の3割)と毒性の強弱は不明だが頻度が高いとみられるL型(全体の7割。武漢市の流行では大半を占めるが、市外の流行では現在は減少傾向にある)という塩基配列の異なる2つの型に分類できることが分かった。

患者の多くは片方の型にしか感染していないものの両方の型に感染した例も確認されており、ウイルスに一度感染し症状が治っても別の型に「再感染する」と言う報道もあるが再感染の可能性および原因については議論があり今後の研究・検討を要する。

2020年3月23日の時点では以下の事が判明している。本ウイルスの主要な株はL型(L亜型)とS型(S亜型)に分かれる。ウイルスのRNAの第28,144番目の塩基の違いにより指定されるアミノ酸がロイシン(L型)かセリン(S型)かによって区別される。

L型

中国武漢市での初期流行ではL型が支配的。当初の報告ではL型はより攻撃的で、より急速に蔓延するとされていた。そのため、流行対策による人的介入のため選択圧が掛かり割合的に減少したと見られている。ただし、後に「感染力が強い」と言う点については修正され、「頻度が高い」に表現が改められている。

S型

進化的に古く、変異前(先祖型)のものと見られている。攻撃性が低いため選択圧が弱く、相対的に割合が増加したと見られる。

イギリス・ケンブリッジ大学などからの報告

2020年4月のイギリス・ケンブリッジ大学などによる報告では、このウイルスはA、B、Cの3つの型に分けられるとした。Aは中国のコウモリ由来のウイルスに近く、中国や日本の感染者でも見つかったが、米国やオーストラリアの感染者が多かった。Aから変異したBが武漢市を中心として中国や近隣諸国で爆発的に増えたとみられ、欧米などに飛び火した例は少なかった。Bから変異したCはイタリア、フランス、英国など欧州で多かった。

日本バイオデータからの報告

株式会社日本バイオデータによる査読前論文では、ウイルスのRNA配列のうち第8782番目、第28144番目、第29095番目の塩基に着目し、本ウイルスをTCC、TCT、CTCの3つの型に分類した。TCCおよびTCTは中国のグループの示すS型、イギリスのグループが示すA型に相当する。またCTCは中国のグループが示すL型、イギリスのグループが示すB型およびC型に相当する。

免疫細胞への感染能力

新型コロナウイルスは免疫細胞であるT細胞への感染能力が存在することが示唆されている。T細胞の細胞株であるMT-2細胞株およびA3.01細胞株それぞれに対し、SARSウイルス(SARS-CoV)と新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を感染させ比較したところ、SARSウイルスは細胞に感染しなかったのに対し、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は細胞へ感染した。

発見と拡大

発見

新型コロナウイルスは2019年11月に中国武漢で発生が確認され、同年12月31日に最初に世界保健機関 (WHO) に報告された。その後2019年から翌2020年にかけて発生した中国武漢でのアウトブレイクにおいて肺炎患者の核酸検査陽性患者サンプルにより、ゲノム配列が決定された。

2020年1月20日、病原体を調査している中国・国家衛生健康委員会 (NHC) 専門家の鍾南山グループ長は、広東省でヒトからヒトへの感染(ヒト - ヒト感染)が確認されたと発表した[78]。新しいコロナウイルスに対する特定の治療法はないが、既存の抗ウイルス薬を流用することはできるとしている。

2020年1月下旬時点での主要なアウトブレイクは中国大陸に限局されていたが、その後は東アジア・ヨーロッパを中心とし世界各地に拡散した。

感染の拡大

この株による最初の既知のヒトへの感染は2019年11月下旬に発生した。新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) の拡散は、2019年11月中旬に中国の湖北省武漢市で最初に発生。その後、中国の全ての省に蔓延し、またアジア、ヨーロッパ、北米、アフリカ、オセアニアなど他の160以上の国にも拡散した[93]。このウイルスのヒト - ヒト感染による拡散は、アフリカを除く[94]これらすべての地域で確認されている。

2020年1月31日、このウイルスの感染拡大が懸念されることから世界保健機関 (WHO) は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC) を宣言した。なお、季節性疾患としての自然終息や定着の可能性について議論が続いている。

3月7日現在も感染拡大が止まらず、世界で感染者数が100,000人を超えたと発表した。

3月11日にはこのウイルスの感染拡大について、WHOがパンデミック(世界的流行)相当との認識を初めて示した。

4月2日には、世界全体の累計で100万人を超え死者も5万1000人を上回った[104]。感染者が見つかった世界177カ国・地域のうちアメリカが16万人超と世界最多となり、続いてイタリアが10万人を突破した。 4月16日時点では、世界全体の累計で感染者数が200万人を超え、死者も13万3000人を超えている。 アメリカの感染者数は61万人を超え、次いでスペイン17万人超、イタリア16万人超となっている。


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