http://www.tmd.ac.jp/mri/koushimi/shimin/ouchi.pdf#search='%E6%8A%97%E4%BD%93%E3%81%A8%E5%85%8D%E7%96%AB%E5%8A%9B%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84'【私たちの体を守る免疫システムその良い面と悪い面】 より
免疫は何をしているのでしょうか?
健康なときには免疫が何をしているのかなんて気にしませんよね?
では、もし免疫がなかったらどうなるんでしょうか?
「免疫不全症」というむずかしい名前の病気があります。
生まれながらに免疫をぜんぜん持っていない病気です。この病気の赤ちゃんは、生まれて
半年くらいまでに、普通の人は感染しないような弱い病原体に感染してしまい、口の中に
カビが生えたり肺炎になったりします。
「エイズ」は、HIVというウイルスに感染した人がかかる免疫がなってしまう病気です。この病気にかかった人は、やはりいろいろな病原体に感染してしまいます。
つまり、ふだん免疫は何もしていないようでも、じつは、私たちの身体を病原体から守って、病気にならないようにしてくれているのです。
これが免疫の一番たいせつなはたらきです。
一度ある感染症にかかったら免疫のはたらきが強くなり、二度目にはもう病気になりません。
「わたしは一度おたふくかぜにかかっているから大丈夫」
「ぼくは今年はもうインフルエンザにかかって治ったからもうかからない」という話は聞いたことがあるでしょう。
でもそれは、同じ病原体の場合だけ。新しい病原体にはかかってしまいます。
昔かかった病原体をおぼえているのも免疫のはたらきです。これを「免疫記憶」といいます。
白血球=免疫細胞
【赤血球】【血小板】【白血球 *顆粒球(好中球 好酸球 好塩基球)*単球 *樹状細胞 *リンパ球(T細胞 <ヘルパーT細胞 キラーT細胞> B細胞)】
1.ばい菌にはまずリンパ球以外の細胞!
うまそーやな食うでー 顆粒球 (単球/マクロファージなどの食細胞)→ 膿(うみ)
免疫細胞が体を守るしくみ
しかし,かれらもウイルスのように血液中を流れたり細胞の中に入り込むようなものはうまく処理できない..
2. そんなときは、リンパ球の出番だ!B細胞がウイルスに対する抗体を出す。
キラーT細胞がウイルス感染した細胞を攻撃する
まとめ:免疫の3つの主な仕組み
ミエロイド系細胞(食細胞) 1. 病原体を食べる →自然免疫
Bリンパ球 2. 抗体をつくる →獲得免疫
キラーTリンパ球 3. 感染細胞を殺す →獲得免疫
免疫は大きく自然免疫と獲得免疫に分けられます。
自然免疫とは?
病原体をやっつける方法として、まず食べるという殺し方があります。自然免疫の主な仕事はこれです。体を守るための最前線の戦いをしてくれています。
病原体は、例えば細菌なら細菌に共通した成分を持っています。食細胞はそういう共通した情報を認識できる分子を細胞表面に出して、標的を見定めているのです。ひとつの分子で沢山の種類の細菌を見ることができます。
自然免疫と獲得免疫の役割分担
自然免疫ではカバーしきれないものがあります。それは、血液中に溶けて流れている毒素分子や小さな病原体、また細胞の中に入り込んだ病原体などです。
獲得免疫は、こういう事態に対処できます。
獲得免疫系の4つの特徴
①特異性:病原体を見分けられる
ハシカ攻撃隊 → ハシカウイルス・攻撃
→何もしない おたふくかぜウイルス
どうやって病原体を見分けているの?
ハシカにかかった人はハシカには2度はかかりませんが、おたふく風邪にはかかってしまいます。
つまり、免疫の基本は「狙い撃ち」です。これを特異性といいます。
抗原受容体が特異性をもっている
T細胞やB細胞は、抗原受容体という分子を表面に出しています。 抗原受容体は、いわば
T細胞やB細胞が抗原を調べるときの「目」のような働きをします。
T細胞もB細胞も、いろんな種類の受容体をもっている
免疫反応を起こすもとになる病原性微生物由来の物質を抗原といいます。
②多様性:どんな敵でもやっつける
ハシカ攻撃隊、天然痘攻撃隊、百日咳攻撃隊・・・極めて多種類!
どうして出会ったことのない病原体とも戦えるの?
どんな病原体に対してでも狙いうちできる免疫細胞が、身体には用意されています。
このようにいろいろな異物に反応できることを、免疫の多様性といいます。
③自己寛容:自分の身体は攻撃しない
免疫系 → 異物(非自己)→攻撃
→ 自己成分 →何もしない
どうして自分の身体は攻撃しないの?
免疫系には自分の身体中の成分と異物とを見分けるしくみがあります。
自己非自己の識別といいます。
自己成分に対しては攻撃しないことを、自己寛容といいます。
リンパ球のすごいところは…どんな物でも、攻撃できる。 多様性それなのに、自分自身は攻撃しない。
けがなどで病原体が体内に入ると、樹状細胞がその病原体を取り込んでリンパ節へ移住します。リンパ節の中で、樹状細胞は病原体襲来の情報をT細胞に伝えます。
④免疫記憶:2度目はかからない
免疫記憶の仕組み
2回目の感染では速やかに免疫反応が起こる仕組み
免疫応答のブレーキ役、制御性
T細胞
制御性ってどういうこと?
免疫系の細胞は、攻撃する細胞ばかりではありません。中には、免疫反応を抑制する役割をもった細胞もいます。抑制性細胞があることはかなり前から知られており、また、いろいろな種類があることがわかっています。
その中の代表選手が、制御性T細胞です。
サイトカインによる情報伝達
サイトカインは細胞が放出する情報伝達物質です。
遠く離れた細胞でも、それを見分ける受容体を持っていれば、働きかけることができます。
サイトカインは、いわば「増えろ」とか「働け」という指令書のようなものです。中には「おとなしくしてなさい」とか「死んで下さい」というメッセージを伝えるものもあります。
私たちはたくさんの種類のサイトカインを持っています。
サイトカインの種類
インターロイキン(IL) 1,2,3,4,・・・・31
細胞増殖因子
インターフェロン(IFN)
コロニー刺激因子(各種CSF)
造血因子 (エリスロポエチンなど)
ケモカイン(RANTESなど)
炎症性因子(腫瘍壊死因子TNFなど)
抑制因子 IL‐10, TGF‐
鳥インフルエンザウイルスは防ぐことができるか?
鳥インフルエンザウイルスH1N1型 →樹状細胞やマクロファージが異常に活性化する →
炎症性サイトカインがたくさん作られる →インフルエンザで最悪の場合、死にいたる
私たちの体を守る免疫システムですが、コントロールできなくなり、暴走すると自分自身の組織を傷つけ、最悪の場合、死に至る→免疫システムは諸刃の刃である→免疫反応をコントロールする必要がある
私たちは新しい免疫反応をコントロールする仕組みを発見
ウイルス感染時に死んだ赤芽球を食べた樹状細胞が免疫反応を抑制するサイトカインIL
‐10を出して免疫反応にブレーキをかけている。
ウイルス感染によって死んだ(アポトーシスを起こした)赤芽球 → 樹状細胞が食べて消化する → 免疫反応を抑制するIL‐10を出す → T細胞へのブレーキ(さじ加減を調節)
→ 自分の組織を傷つけない
まとめ
1.免疫システムは私たちの体を守っています。
2.免疫システムは巧みに病原体を見つけ、除去しています。
3.免疫システムが暴走してコントロールできないと私たちの体を傷つけます。
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