https://www.harashika-iin.com/ 【 ウイルスと細菌は違います。】 院長コラム 2020年05月19日 より
国立病院機構仙台医療センター・臨床研究部ウイルスセンター長の西村秀一医師が次のような発言をされています。(下の **** から ***** まで)
長い文章ですが、ざっとでも良いのでお読みください。
この文章の下に、私の考えなど書かせていただきます。
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一般社会においてエレベーターのボタンを直接指で押すことはやめましょうとか、しょっちゅうドアノブを拭きましょうとか、スーパーマーケットのプラスティックパックの表面をアルコールで消毒しましょうとか、今回の新型コロナはウイルスであるのに細菌であるかのように語られていることが多い。
それが一億総強迫神経症のような混乱を引き起こしている。
細菌はそれ自体が自立性の細胞なので条件が揃えばそれ自身で増えるが、ウイルスは細菌のように自立して増えることはできず、他の細胞、それもそのウイルスに適した極めて限られた種類の細胞に入り込まないと増えていかない。
ウイルスは体の外に出た後もいつまでも生きているように言う人がいるけれども、それは大きな誤りで、外に出た状態にもよるが時間経過とともにどんどん失活していく。
物の上で数時間生きているとか、数日生きているとか言われて皆、消毒に神経質になっています。
プラスチック上で4日という話が独り歩きしているが、それは大量のウイルスを生き残るための最適に近い条件においた実験での話で、一般の社会生活とは別の話だ。
実験データをきちんと理解しておらず論文をまともに読んでいない「専門家」の説明を鵜呑みにしている。
ウイルスは時間の経過とともに、大きく減っていく。
実験条件によって1時間から3時間ぐらいで半減し、そこからまた同じ時間で半減するので、よほどたくさんのウイルスがいないと長時間残らない。
たとえ少し生き残ったとしても、それを指で触って指に移る効率はかなり低いし、さらにそれが感染につながるまでの間にウイルスは死ぬ。
「よほどたくさんの」というのは、たとえば咳やくしゃみで落下する液滴レベルではそこまでに達しないし、感染者がマスクをしていれば、それすらないと断言できる。
感染した人が故意に自分の咳やくしゃみや唾液を手に吐き、それを塗り付けるくらいのことをしないと無理だ。それはテロ行為ともいえる。われわれはテロを警戒しているのか。
何度も繰り返すが、理解して欲しいのは、生きている人の体内には病原ウイルスはいるが、環境にはほとんど存在しないということ。
感染者がいる病室のような場所以外では問題にならない。
そんじょそこらに危険なウイルスがまき散らされていて、それによる感染の「可能性は否定できない」という言い方をする「専門家」が多い。だがそれは間違っている。
可能性が「ない」ことを証明することは悪魔の証明ともいわれ至難の業であり、それこそ不可能である。それが「ある」という側が実例をもって証明すべきである。
棺でもいい、スーパーの包装でもいい。一般の環境にウイルスがいると言い張る人たちはぜひ一般環境から生きたウイルスが検出されることを、環境調査をやって証明してほしい。
■蛍光塗料による実験はミスリード
私は以前、新型インフルエンザの流行期に環境調査をやってみたことがあるが、何度やってもまったく検出できなかった。その代わり細菌はうようよいた。
テレビに出てくる「専門家」はみな細菌しか頭にない。
彼らが視覚に訴えるためによくやる手だが、蛍光塗料で代用して見る環境のウイルス汚染の映像がある。
だが、ウイルスは蛍光塗料とはまったく別物である。
蛍光塗料を手にべったり付けるほどの量、あるいは空中に噴霧してあちこちの壁にまんべんなく付着するほどの量のウイルスを人は出していない。
出ているのはそれらに比べたらきわめてわずかということになり、さらに感染性の点から見れば、体から出たそのわずかな量のウイルスもその後時間とともに失活し(死んでいき)感染性は失われる。
あのような映像とそれを用いた説明は、一般の人びとを、あるいはもしかしたら彼ら自身をもミスリードしている。
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(👆以上、国立病院機構仙台医療センター・臨床研究部ウイルスセンター長の西村秀一医師の発言抜粋)
(以下は私の意見です。👇)
国立病院機構仙台医療センター・臨床研究部ウイルスセンター長の西村秀一医師の発言は以上ですが、「細菌」と「ウイルス」が違う(細菌は自立性の細胞=「生き物」的存在。ウイルスは非自立性の細胞=「物、物質」的細胞。)というところは非常に大切な部分です。
細菌は自ら人体のあらゆる場所を入り口として入り込んでいろいろなアクションを起こしますが、ウイルスにはずっとずっと狭い入り口しかなく、そちらについて注意を払うことで感染の危険性はとても低くなるのです。
ただし、上の文中では『「よほどたくさんの」というのは、たとえば咳やくしゃみで落下する液滴レベルではそこまでに達しないし、感染者がマスクをしていれば、それすらないと断言できる。』と言われていますが、歯科治療時はこれに当たりません。
治療を受ける患者さんは当然、治療中にはマスクはしていませんし、くしゃみや咳より多くの飛沫が発生する治療もあります。
でも大丈夫!
私たち歯科医療従事者はそういったことが分かった上で、歯科医院内の感染防御を行っています。
歯科医院内は、日常的なお買い物をしに行く場所よりも感染リスクが低い場所であると言えるくらいに感染症対策されています。
感染しにくい身体にしておくために、しっかりと口腔ケアをしておくのは基本です。
しばらく歯科受診していない方は、感染予防のためにも一度歯科医院の門を叩いてくださいね。
「やっぱりそれでも怖くて歯科受診できない。」というあなた!その気持ち、わからなくはありません。
無理をせず、ゆっくりと「自分がどうすべきか?」を考えてみてください。
考えずに悩むだけ、は、ナシですよ。
そうして、考えている間に口腔環境を悪化させることが無い様にしっかりと歯磨き・舌磨きなどのセルフケアは怠らないでくださいね。
あなたのお気持ちが落ち着いて、専門的ケアを受けに来てくださる日が少しでも早く来ることを願って待っています。
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