http://blog.livedoor.jp/elijah_light/archives/50049026.html より
ルン(風)
チベット医学の基礎をなす三体液、ルン(風)、ティーパ(胆汁)、ペーケン(粘液)は
さらにそれぞれ5種に分かれます。
■ルン(風)
「風」または「気」と訳されますが、中医学での「風」、「気」とは全く異なります。
5つの基本的なルン
1 生命を司るルン
「生命を司るルン」は頭頂部にあり、主にそこから胸に流れていきます。
その機能は食物の飲み下し、呼気、唾液の分泌、げっぷ、クシャミを可能に
することです。
心と五感を澄みわたらせ、心に身体という基盤を与え、生命を司っています。
また、生命力を維持します。
2 上昇するルン
「上昇するルン」は胸骨に位置し、主に鼻、舌、喉部周囲を流れます。
その機能は話すことを可能にし、体力や肌の色(顔色)を与え、やる気を
起こさせ、活動を刺激します。また記憶力や注意力を研ぎ澄まします。
3 遍在するルン
「遍在するルン」は基本的には心臓に位置しますが、身体にあまねく存在
しているものです。
身体の四肢の屈伸など筋肉の動き、口、目といった身体の穴部の開閉を司り
ます。思考過程に関与し、血液循環を制御します。
4 火を伴うルン
「火を伴うルン」は胃の下部(第三レベル)に位置し、五臓六腑を循環します。
その機能は消化を助け、摂取した食物を精髄の部分と不純な部分とに分け、
7つの「身体の構成要素」を作ります。
また、その結果として血液や胆汁などの色を決定づけます。
チベット医学では胃は3つの部分に分けられます。上部には「分解作用のペーケン」が、
中間部には「消化作用のティーパ」が、そして下部には「火を伴うルン」が位置します。
消化の過程が火を連想させることから、このように呼ばれています。
また、7つの身体の構成要素とは、以下の7つです。
1 食物の滋養成分(ダン・マ)
2 血(ター)
3 肉(シャ)
4 脂肪、軟骨(ツィル)
5 骨(ルー)
6 骨髄(カン)
7 生殖液、精子と卵子(クワ)
5 下降し、排泄するルン
「下降し、排泄するルン」は、生殖器のあたりに位置し、大腸、膀胱、生殖器
などの下半身を巡っています。
その機能は、精液、月経、大小便などの排泄のコントロールです。
胎児を子宮で育み、出産時に胎児を子宮から押し出すのもこのルンの役目です。
密教の旧訳(ニンマ)派と新訳(サルマ)派では「生命を司るルン」と「遍在するルン」
の位置が違います。新訳派は上記の逆になり、「生命を司るルン」が心臓に、「遍在する
ルン」を頭頂部にあるとします。位置はちがっても機能は同じです。
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