千の風になってドラマスペシャル ドキュメンタリー・ドラマ 千の風になって・家族へのラブレター
今、不思議な"風"が、日本中を吹きわたり、感動の嵐をまきおこしています。
『千の風になって』(日本語訳詞と作曲、新井満)です。
大切な人を亡くし、絶望のどん底に落とされたとき、多くの人々は言います。
「この歌によって癒されました…」
「悲しみをこえて生きる勇気と希望をもらいました…」と。
◆「千の風になって」プロジェクトとは
"千の風"の感動を皆様にお伝えしようと企画されたのが、「千の風になって」プロジェクトです。『千の風になって』(日本語訳と作曲、新井満)の世界観に共鳴する各番組と連携をし、"ドキュメンタリー・ドラマ"、"ドキュメンタリー"、"情報番組"など様々な形で「千の風」を人々の心へお届けします。みなさまと番組を作ったり、さまざまなジャンルの番組を窓口としてお届けする、全く新しい形のプロジェクトです。プロジェクトのテーマソングは秋川雅史の『千の風になって』に決定しました。昨年末「第57回NHK紅白歌合戦」に出場したことにより、一層全国の人々の心を捉え、今もなお伸び続ける異例のロングヒットになっているこの曲。テノール歌手独特の伸びのある歌声、深みのある響きが番組ストーリーとともに心に沁み込みます。
元キャビンアテンダントで何事にも前向きな福原杏子(黒木瞳)。3人の子どもにも恵まれ、平凡ながら幸せな生活を過ごしていたが、ある日健康診断で精密検査をするように勧められる。夫婦で聞きに行った再検査の結果は胃ガン…末期症状で、余命3ヵ月だった。
突然のガン宣告に最初は胃潰瘍と取り繕う夫・貴之(石黒賢)だが、隠しきれずついに本人に告知し、そして子どもたちや母・マサ(泉ピン子)にも伝える。いつも元気で家族の中心にいた母親の病気に動揺する、大学1年生の長男・健介(福士誠治)、高校2年生の次男・康平(林遣都)、中学2年生の長女・美幸(石橋杏奈)。それぞれが受験を控えたり、将来の夢を築き始めた直後の出来事だった。自分の余命を意識しながら、子どもたちへ何が残せるのかを苦悩し、家族と少しでも長く共に過ごそうとする母親。そして、その母親のために、それぞれができる精一杯のことをする家族。次男は母親のために甲子園を目指し、チームを勝利へと導き続ける。家族の愛に包まれ、奇跡的に2年間を生き延びた杏子だったが、ついにその日が訪れる…。
東京都武蔵野市・井の頭自然公園。この小さな動物園の片隅でひっそりと生きている一頭の老象・はな子。その周りではこどもたちが笑顔で手を振っている。しかし、この象の話をする前に、もう一頭の"花子"の話から始めなくてはならない。それはこの国が戦争をしていた頃の話…。
今から65年前の昭和16年、太平洋戦争が始まった。
昭和18年、夏。
上野恩賜動物園・象担当の飼育員である吉岡亮平(反町隆史)は、人間でさえ食べるものに困っているなか、空腹に耐えられない動物たちのために生ゴミを漁っては、仲間の飼育員に分けてやっていた。戦争中でもお客がいる限り、動物園は開いていた。なかでもジョン、トンキー、花子の三頭の象は一番の人気者だった。象舎の前には、いつものように和夫(大嶋捷稔)という少年の姿があった。和夫には象と同じ花子という名の妹がいた。しかしその妹は身体が弱く、まだ本物の象を見たことがなかった。
太平洋戦争末期の広島。慢性的な食糧難が続き、朝晩の区別なく空襲警報が鳴り、日本は敗戦への道を着実に進んでいた。しかし国は徹底抗戦の構えをますます強くし、二十歳前の少年たちにも赤紙が届き、一方で戦死の報せが相次いだ。
そんな中、中岡大吉(中井貴一)は下駄の絵付け職人を営みながら、 妻の君江(石田ゆり子)に支えられ、4人の子供たちを懸命に育てていた。 家族思いの長男の浩二(中尾明慶)、体が弱いながらも家事を手伝う長女の英子(小野明日香)、腕白で口は悪いが底抜けの明るさと優しさを持つ元(小林廉)、末っ子で甘えん坊の進次(今井悠貴)。そして近くもう一人子供が生まれる。
町外れにある麦畑では、まもなく豊かな穂が実る。その麦で作るパンやうどんを食べることを心待ちにしている子供たちに大吉はいつも「麦のように、踏まれても強くたくましく生きろ」と教えていた。
軍部が本土決戦、国民総玉砕を唱える中、大吉は徹底して反戦を唱えていた。そのため中岡家は日ごろから非国民とさげすまれ、いじめられている。しかし元は、いつも元気いっぱい。弟の進次と一緒に歌い、笑い、家族に光をもたらしていた。
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