https://www.communication-energy.net/lab/0214 より
【コミュニケーションはあいさつから始まる】
あいさつは、いちばん簡単にできて、いちばん大切なコミュニケーションです。気持ちの良いあいさつをすると自分だけでなく、周りにもよい影響を与えることができます。
あいさつは真剣勝負?!
あいさつを漢字で書くと「挨拶」となります。この漢字は禅宗で禅問答を交わすときに、相手の悟りが深いものなのか浅いものなのかを探り合うやり取りをあらわした「一挨一拶(いちあいいちさつ、いちあいいっさつ)」という言葉からきています。
禅問答では、どちらかが言葉をなげかけ、もうかたほうが反応することで、相手がどんな悟りをえているのか、どの境地にいるのかを見定めあいます。この禅問答は、師と弟子や禅僧同士が出会ったときにはじまることが多かったため、時を経て、知り合いに会ったときに最初に交わす言葉や、初めて会う人と会話を始めるときに発する言葉を挨拶(あいさつ)と呼ぶようになったといわれています。
この禅問答は、いわば禅の世界で起こる戦いでした。挨拶の「挨」は「進む、押す、攻め込む」という意味です。また「拶」には「攻める、迫る」という意味があります。禅問答というものが、決して儀礼的で簡単なものではなく、禅僧同士の真剣勝負だったことが推測できます。刀こそないものの、お互いが心と心を通わせ、お互いを高めあうための修行であったのですね。
あいさつは心をひらく第一歩
では、現代においてあいさつはどんな意味を持つのでしょうか。家庭でも、学校でも、会社でも、あいさつは大切であるということを学んだ経験がある人は多いでしょう。では、どうして大切なのか?例えば「第一印象をよくするため」とか「マナー」の意味合いが強いように感じます。「あいさつとは一言でいうと?」と社内で問いかけたところ、いろいろな意見が出てきました。「習慣・慣例」という人もいれば「礼儀や尊敬、歓迎の意味もある」という意見、「強制的なもの」という経験がある人がいたり「体調確認」という意見を持っている人もいました。全て正解だと思います。あいさつという言葉はいろいろな意味を含んでいるんですね。実際に辞書を引いてみても表現が様々でした。
どの意味でも共通していることは、あいさつはコミュニケーションであるということです。そして、あいさつというコミュニケーションは、どんな人とでも交わすことができます。海外旅行にいくとき、おそらく多くの人が基本的なあいさつは勉強していくでしょう。それはなぜでしょう。コミュニケーションをとりたいと思うからではないでしょうか。あいさつをすることは、お互いの心をひらく第一歩なのです。
心をこめてあいさつしよう
あいさつは普段は無意識に行っていることがほとんどです。フレーズも非常に短いので、一瞬で終わることもあるかもしれません。例えば朝のあいさつで「おはようございます」というとき、あなたは相手のことを見ていますか?自分が先に言うときは見ているかもしれません。では、相手が先にあいさつしてきた場合はどうでしょう。相手のことを見て、返事を返すことができているでしょうか。
コンビニエンスストアやスーパーに行ったとき、「いらっしゃいませ」と言われることもあると思います。そこに答えることはないかもしれません。でも「いらっしゃいませ」も立派なあいさつです。でもそこに心がこもっていなければ、して当たり前、の単なる作業になってしまうのです。言うほうも言われるほうも、素通りするようなあいさつはなんとなく寂しい感じがしますね。よいコミュニケーションは、一言のあいさつから。意識して、目の前の相手に(電話なら電話口の相手に)まるで禅問答をはじめる修行中の仲間のように、心をこめてあいさつしてみましょう!そこから良いコミュニケーションが生まれてくるのです。
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