石と賢治のミュージアムで宮沢賢治の心の軌跡を辿ろう
https://wondertrip.jp/1017326/ より
石と賢治のミュージアムは、宮沢賢治に由来する鉱石、書簡、勤務していた工場跡などを体験できる博物館です。鉱物技師としての活躍、発病、「雨ニモマケズ」が生まれるまでの賢治の足跡を辿ることができ、賢治の作品のファンであれば、なおさら興味深い展示品でいっぱいです。
宮沢賢治は、1896年生まれの童話作家、詩人。代表作には、詩集である春と修羅、童話として今でも愛されている銀河鉄道の夜、注文の多い料理店、セロ弾きのゴーシュ、よだかの星、風の又三郎などがあります。賢治は、文学以外にも、工場の技師、農業の研究者、独自の世界観による理想家として、さまざまな分野で才能を発揮しました。豊富な知識と豊かな内面を併せ持った賢治は、農民芸術概論綱要に見られるように、独自の理想郷を追求した思索家でもありました。
石と賢治のミュージアムに関しては、このミュージアムの適切な運営によって賢治や石の魅力を伝えるために、特別な条例があります。一関市石と賢治のミュージアム条例は、平成17年9月20日に一関市の条例第90号として制定されました。条例には、ミュージアムの目的、入館料の料金設定、職員や委任会の設置方法などが規定されています。
ミュージアムは珍しい鉱物の宝庫
石と賢治ミュージアムでは、宮沢賢治が愛した鉱物たちの魅力について学ぶことができます。珍しい鉱物たちは、見ているだけでも引き込まれそうな美しい輝きを放っています。
green_tapioka (引用元:Instagram)
ミュージアム内には、ラピスラズリ、蛍石、アンモナイトの化石など、さまざまな石が数百点、展示されています。石の種類は100種類以上にのぼり、宝石などの鉱物、数多くの化石など、石の宝庫になっています。館内は、それほど広くありませんが、石を詳しく見ていくと、長時間楽しめます。
宮沢賢治は鉱物マニアだった
宮沢賢治は、少年時代、11歳ごろから鉱物マニアであり、通称は、石ッコ賢さんでした。故郷の野山を駆け巡ってはハンマーを叩き、珍しい石を収集していました。オツベルと象に出てくる琥珀のパイプなど、賢治が書いた物語には多くの鉱物が登場しており、独特の世界観を演出するのに一役買っています。
鉱物の特徴をわかりやすく学べる
石と賢治のミュージアムでは、鉱物の名前の由来、特徴、硬度、化学記号などがわかりやすくまとめて展示されています。静かな館内と適度な照明の効果により、石が直接語りかけてくるような雰囲気があります。他の入場者のためにも、雰囲気を壊さないように、館内は静かに行動しましょう。
鉱物をキャラクター化したイラストも
2018年4月1日から7月19日まで、ミュージアムでは、人気のコミック作品、宝石の国(市川春子作)とのコラボレーションにより、宝石の国展が開催されました。展示されている鉱物を、擬人化したキャラクターイラストも展示。宝石の国は、独特の世界観によって、石の魅力を幻想的に表現しています。鉱物の特徴に合わせた性格も設定され、読んでいて鉱物に興味が湧いてきました。
珍しい液体の鉱石などを展示
アンタークチサイトは、室温では融解して液体になる珍しい鉱石。オパールは、光の加減によって色が微妙に変化するので、手をかざしたり見る角度を変えたりして楽しむことができます。クリソコラ(ザイールで産出)は、溶けかけたシャーベットのような独特の質感が魅力です。
古代の昆虫の姿も
館内には、琥珀も展示されています。石の中に、古代の昆虫が封じ込められており、当時の昆虫の姿を見ることができます。古代生物が蘇る、映画、ジュラシックパークのワンシーンが目に浮かびます。
賢治の貴重な文献を集めた図書室
館内には、賢治の情報が満載された図書室「双思堂文庫」があります。宮沢賢治の研究の第一人者、斉藤文一氏が収集した資料や、賢治が技師として勤務した工場の主が集めた当時の書簡などが並んでいます。賢治を知る上で、ここにしかないマニアックな文献がたくさんあり、ファンならば一日中楽しめる場所になっています。
旧東北砕石工場とは
旧東北砕石工場は、宮沢賢治が実際に働いていた工場です。工場で使用されていたトロッコも現存しており、当時の様子に思いを馳せることができます。
ミュージアムの隣には、宮沢賢治が勤務していた「旧東北砕石工場」が併設されています。1924年に創業後、1978年に操業停止するまで、50年以上、土地改良剤の石灰石粉を製造していました。操業停止された工場は、どこか侘しげな雰囲気です。
https://blogs.yahoo.co.jp/lightandshadow7111/32623442.html
より
【影絵「月夜のでんしんばしら」】
花巻の影絵展に飾られていた「月夜のでんしんばしら」。
「風の又三郎」作品群の陰に隠れてあまり目立っていないようですが、宮沢賢治の童話をモチーフにした最新作。
花巻展会場が撮影禁止だったので画像がなかったんですが、
今回、藤城事務所カレンダー付属の冊子に掲載されたので、
ようやくご紹介できる運びとなりました^o^v
実は「月夜のでんしんばしら」には、
賢治みずからが描いた水彩画もあるんです@_@
作者自身の作品があると、えてして新たなものは作りづらいものですが、
藤城先生は賢治の作品に敬意を払いつつも、
見事に独自の作風を展開していらっしゃいますね。
http://www.harnamukiya.com/guidebook/page02.html より
「月夜のでんしんばしら」と花巻駅付近
この童話は、鉄道線路わきの電信柱たちが、兵隊となって歩き出すという幻想的な物語です。大きな城のようにみえる駅の近くの話で、主人公の少年は電気会社のある町に住むということですから、盛岡か花巻がモデルですが、盛岡ならば賢治は常に「市」と書きますので、町は花巻です。電信柱は工兵、竜騎兵、擲弾兵(てきだんへい)全部で15,000人の兵隊として登場しますが、これは弘前師団の人数とそれを構成する工兵、騎兵、歩兵を表しています。花巻での工兵や騎兵の演習を「銀河鉄道の夜」や「イギリス海岸」にも書いています。この工兵や騎兵は弘前師団に属していますが、盛岡に駐屯しており、花巻が主な演習地の一つでした。
賢治が自ら描いた「月夜のでんしんばしら」
(宮沢賢治 画 宮沢清六 彩色
「月夜のでんしんばしら」 林風舎)
花巻小学校前にあるモニュメント
賢治は、ドッテテ ドッテテ・・・・と行進する軍歌や、電信柱の兵隊の絵などを自作で残しています。思い入れの強い作品(『注文の多い料理店』所収)だったのですね。北に進軍するのは、当時(大正10年)盛岡の工兵隊がシベリアに派兵されることが決まっていたことを踏まえているようです。
流星や浮き上がる種山ヶ原 高資
種山や鏡なす日を見霽かす 高資
石と賢治のミュージアム
石と賢治のミュージアム
3年前に当館で展示を行って頂いた山田伸一郎さんの作品『石と賢治のミュージアム』です☺️銀河鉄道と東北砕石工場がコラボしてます
種山や鏡なす日を見霽かす 高資 (無季)
湛へたる泪や空へ草の花 高資
Tears filled my eyes
autumn flowers bloom to the sky Taka Goto
【賢治の花壇 涙ぐむ眼 “Tearful eye”】
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