新型コロナウイルス感染症の予防

濁世へと萌え出づる孔雀羊歯かな  高資

蓬莱羊歯科、蓬莱羊歯属です。孔雀明王を想像します。

Facebook・庄子 みどりさん投稿記事

孔雀明王に祈ってます。

ウィルス=鳥がキーポイント

鳥のトップの神様が孔雀明王(女神です)

語源は「偉大なる孔雀」の意味で、インドの国鳥でもある孔雀が神格化され仏教に取り入れられました。

インドでは元々は女神でした。

そのため、仏母大孔雀明王菩薩とも呼ばれ像容も女性的にあらわされます。

古代インドでは毒蛇は煩悩にたとえられており、毒蛇を捕らえて食べる孔雀が災いや苦痛を取り除いてくれると考えられていました。

また孔雀が雨季の到来を告げることから、恵みの雨をもたらす吉鳥ということで大変尊重されました。

孔雀が仏教に取り入れられてからも雨乞いの儀式に用いられました。

また煩悩や苦悩、恐怖などを追い払って幸福をもたらす明王として信仰されてます。

今日は東京も寒く冷たい雨が降っていましたがこれも何かの計らいかと

未来は明るい❣️

氣功師 庄子みどり

孔雀は 鳳凰、ベヌードリ、火の鳥は 不死鳥として同一視されています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E3%81%AE%E9%B3%A5  【火の鳥】参照


しかしコロナの脅威にさらされている今日、人気があるキャラクターは 妖怪「アマビエ」だそうです


https://news.nicovideo.jp/watch/nw6779563  【妖怪「アマビエ」のイラストがSNSで人気 伝承に脚光「疫病が流行れば私の絵を見せよ」】

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%93%E3%82%A8  

【アマビエ】 より抜粋

アマビエ(歴史的仮名遣:アマビヱ)は、日本に伝わる半人半魚の妖怪。光輝く姿で海中から現れ、豊作や疫病などの予言をすると伝えられている。

同種の妖怪と考えられるものに尼彦/あま彦/天彦/天日子/海彦(読みの推定:あまびこ)、尼彦入道/天彦入道、アリエがある。

新型コロナウイルスとアマビエ

厚生労働省が作成した新型コロナウイルス感染症拡大阻止を呼び掛けるアイコン。アマビエをモチーフにしている

2019新型コロナウイルス(COVID-19)による急性呼吸器疾患は、中華人民共和国湖北省の武漢市で2019年後期に発生し、明くる2020年に入ってアウトブレイクからパンデミックへと発展した。日本も深刻な事態に陥り、防疫上の事由で人の物理的交流も経済活動も大幅な自粛を余儀なくされた。そのような鬱屈した社会情勢にあった同年(令和2年)2月27日[26][注 14]、「疫病退散にご利益があるというアマビエの力を借りよう」「コロナウィルス対策としてアマビエのイラストをみんなで描こう」との発想から[26][1]、妖怪掛け軸専門店「大蛇堂」が、妖怪ファンは周知ながら一般にはほとんど知られていないアマビエの解説と共に大胆にアレンジした強面のイラストレーションをTwitterに投稿したところ[26][1]、この考えに賛同した多くのTwitter利用者がハッシュタグ「アマビエ」「アマビエチャレンジ」「アマビエ祭り」など[28][29][30][31][23]を付けてアマビエを自己流にアレンジした作品(イラスト、漫画、動画、ぬいぐるみ、あみぐるみ、刺繍、フィギュア、スタンプ、こいのぼり[32]、その他小物など)を次々に投稿するという動きが起こった[1]。5日には著作権フリーのイラスト素材サイト「いらすとや」にも投稿された[2][33]。漫画家・トキワセイイチが漫画『アマビエが来る』をTwitterに投稿したのは6日で、これにも大きな反響があった[34][2]。原書にあたるアマビエの瓦版を所蔵する京都大学附属図書館からは6日に投稿があり[35]、数日のうちに5,000を超える「いいね!」が寄せられた[35]。ソーシャル分析ツール「ForSight(フォーサイト)」でキーワード「アマビエ」を含むツイートを調べると、2月は日に10件程度であったものが、3月1日は162件と微増し、3日になって4,737件と急増、そして、7日には38,646件と爆発的に増えていることが分かる[2]。

また、11日には、アマビエの研究で知られる長野栄俊が普段からコラムを執筆しているウェブサイト「ふーぽ」上でアマビエチャレンジについて言及しており[36]、今回の大流行には予言の要素が見られず、護符としての特徴のみが拡散していると分析した[36]。加えて、ご利益を明言していないアマビエより、「私の姿を見る者は無病長寿、早々にこのことを全国に広めよ」と告げているアマビコのほうが本来はふさわしいとの、研究者らしい一言もあった[36]。アマビコとアマビエ、いずれかの流行は、天保・安政・明治に続いて今回の令和が4回目であることも紹介している[36]。

なお、原典たるアマビエの予言(アマビエの瓦版の原文)は「(これから先、)豊作が続くが疫病も流行する。私の姿を絵に写して人々に見せるべし。」という旨のものであり、前節と後節が直接には繋がっていないことをもって「絵を見せることで疫病が収まると言っているわけではない」と解釈する人もいる。長野栄俊は【ふーぽコラム】において「じつは亜種であるアマビエは「早々に私の姿を写して人々に見せよ」とは告げるが、その御利益は明言していない。一方、原種のアマビコの方は「私の姿を見る者は無病長寿、早々にこのことを全国に広めよ」と告げている。SNSで見て、拡散すべきは「アマビエ」ではなく「アマビコ」の方かもしれない。」と述べている。


この現象をどう理解すればよいのでしょう??

恐怖心が免疫力を下げることはよく知られています。

お守りを手に入れた感じになるのでしょうか??


https://ranyokohama.amebaownd.com/posts/8011687 【病と癒し】 

は免疫力を上げるための参考になります。

Facebook・船木 威徳さん投稿記事

【新型コロナウイルス感染症の予防・治療に効果のある栄養成分一覧】

研究論文が世に出る前に行われる査読を経ていないものですが、ご参考までに紹介しておきます。

栄養成分は効果の高い順に挙げておりますが、食品の例は、私が追記したものです。

この研究では、圧倒的な効果を示すのは茶カテキンだと結論づけています。

論文で推奨するカテキン量は1日800mgなので、普通に熱湯で入れる煎茶では、1500から2000mlほどになりますが。私は最低1リットルは飲むように仕事中の飲み物は、すべて、

自分で入れるお茶にしています。

新型コロナウイルス感染症には緑茶が効くと言う話は、かなり早くから耳にしています。

しかしながら、なぜか、緑茶(茶カテキン)と新型コロナを関連づけて説明する記事が

たびたび削除されているようです。

理由は知りませんし、私のコメントするところでもありません。

以下、引用論文から引用。

1 EGCG 没食子酸エピガロカテキン〈緑茶〉

2 Curcumin クルクミン〈ウコン〉

3 Apigenin アピゲニン〈パセリ、セロリ、タンポポコーヒー〉

4 Beta Glucan βグルカン〈キノコ類全般〉

5 Myricetin ミリセチン〈ブドウ、ベリー類など〉

6 Quercetin ケルセチン〈タマネギ、ソバなど〉

7 Piperine ピペリン〈黒コショウなど〉

8 Genistein ゲニステイン〈ソラマメ、クズなど〉

9 Diadzein ダイゼイン〈ダイズ(豆腐)など〉

10 Ferulic acid フェルラ酸〈米ぬかなど〉

11 Alliin アリイン〈ニンニクなど〉

12 Lipoic acid リポ酸〈ジャガイモ、ホウレンソウ、ブロッコリーなど〉

13 Resveratrol レスベラトロール〈ブドウ(皮)、ワイン、ピーナッツ、ベリー類など〉

14 Glucosamine グルコサミン〈エビ、カニ、ウナギ、ドジョウなど〉

15 Gingerol ジンゲロール〈ショウガなど〉

16 Sulforaphane スルフォラファン〈ブロッコリー、菜の花、キャベツなど〉

17 Allicin アリシン〈ニンニク、ネギ、タマネギ、ニラなど〉

以下は詳細略。

18 PCB

19 Remdesvir レムデシビル

20 Chloroquin クロロキン

Identification of Dietary Molecules as Therapeutic Agents to Combat COVID-19 Using Molecular Docking Studies(Mohammad Faheem Khanらによる)より引用、追記。

また、ウイルス感染症の予防についてEGCGの効果をわかりやすく説明しているページも引用しておきます。

https://www.taiyokagaku.com/lab/column/35/

緑茶は残留する農薬の問題がありますが、無農薬、減農薬の商品もたくさん世に出ています。

人の命を支える農業に力を尽くされる日本の農家のみなさんを意識して応援すべきときだと

私は考えています。

〜王子北口内科クリニック院長・ふなきたけのり

茶柱の立ちて親しむ燈火かな  高資ー 場所: 上長瀞

http://www.catechin-society.com/effect_02.html    【カテキンの効果・作用】  より

抗菌・殺菌作用 / 抗ウイルス作用 / 活性酸素除去作用 / コレステロール低下作用 / 体脂肪低減作用 抗アレルギー効果 / 虫歯に対する効果

抗ウイルス作用

カテキンは、細菌とともにウィルスにもその効果を発揮します。

ウィルスは、細菌と違い自分で増殖するのではなく、特定の細胞に取りついてその細胞の中で増殖します。ウィルスは突起(スパイク)を持っていて、その先に細胞と取りつくジョイント部分があります。スパイクにはウィルスによってそれぞれ固有のマークがついています。一般的にワクチンによる予防は、体の中にウィルスの抗体を作り、その抗体がスパイクのマークをとらえて細胞に取りつくのを防ぐものです。そのため、例えばインフルエンザではマークの種類の違うインフルエンザウィルスが複数あるため、ワクチンで作られた抗体とマークの合わないインフルエンザウィルスの感染を防ぐことができません。一方、カテキンのウィルス感染予防効果は、ジョイントの部分をふさぐものであるため、ウィルスのマークの違いによらず発揮することができます。

紅茶エキスでのインフルエンザウィルスに対する実験では、通常飲んでいる濃さの約300分の1の濃度の紅茶エキスを60分作用させることにより、A型インフルエンザの感染力が失われるという結果が出されています。またB型インフルエンザでは125分の1の濃度の紅茶エキスで60分作用させることにより感染力が失われました。

マウスを用いた実験においても紅茶エキスによる効果は有効であることが報告されています。

埋れ木に羊歯の瑠璃光浄土かな  高資

コメントのやり取り

五島高資  基本的に羊歯は移植しやすいのですが、本来生えていたところを好みますから如何にそれに近い環境を作るかが問題です。逆に言えばある種の羊歯が育っている場所はそれなりの特性があります。たとえば、ヘビネノゴザという羊歯が生えているところには金銀銅などの重金属鉱床が多いということが知られています。昔の山師はそのことを利用して鉱山を探したそうです。自然に習えですね。

羊歯のダウジングですね。不思議な事ですね。

自然の中にいて人工的な自然を造る盆栽の妙

五島高資  どうもヘビネノゴザは何も好んで重金属の多いところに生えているのではなく他の植物が重金属の毒に耐えられないところでも大丈夫だからそこで優勢になるそうです。ヘビネノゴザが持つプロアントシアニジンという物質が重金属を無毒化しているということです。

確かに地球創成の折には鉱毒がふんだんにあった(鉱毒しか無かった)地に生育するための力量を養ったシダ類と考えれば、鉱毒が無い地には根を下ろしたくもないと考えるかもしれませんね。

五島高資 植物群系でも苔や羊歯など下等なものほど意外と環境に適すようですね。海底火山ななどでできた新島で植物相も最初は苔や羊歯から始まりますからね。もちろん、継代的にでしょうが、しかし、そのしたたかな解毒作用はしたたかですね。


プロアントシアニジン

https://patents.google.com/patent/JP2005314316A/ja  【抗sarsコロナウイルス剤】

bstract

【課題】

新規な抗SARSコロナウイルス剤、SARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤を提供すること。

【解決手段】

(1)プロアントシアニジン、カテキンまたはブドウ抽出物を有効成分とする、抗SARSコロナウイルス剤。

(2)プロアントシアニジン、カテキンまたはブドウ抽出物を有効成分とする、SARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤。

(3)

上記の抗SARSコロナウイルス剤またはSARSコロナウイルス感染症の予防剤もしくは治療剤を含有する、飲食品、医薬品または化粧品。

(4)プロアントシアニジン、カテキンまたはブドウ抽出物を含有し、SARSコロナウイルス感染症の予防または改善のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品。

Description

本発明は、抗SARSコロナウイルス剤、SARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤に関する。

SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome:重症急性呼吸器症候群、新型急性肺炎とも言う)は、SARSコロナウイルスを病原体とする新しい感染症であり、中国広東省に端を発し、香港、北京など中国の他の地域にも拡大し、また、台湾、カナダ、シンガポール、ベトナムなど世界中のいくつかの国でも大きな問題となっている。

主な症状としては、38℃以上の発熱、咳、息切れ、呼吸困難などで、胸部レントゲン写真で肺炎または呼吸窮迫症候群の所見が見られる。また、頭痛、悪寒戦慄、食欲不振、全身倦怠感、下痢、意識混濁などの症状が見られることもある。

原因となる病原体は世界保健機関(WHO)により新型のコロナウイルスであると決定され、「SARSコロナウイルス」と名付けられた。

抗SARSコロナウイルス剤として有用な物質を探索し、SARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤として利用することは医学上急務である。

ところで、ポリフェノール、プロアントシアニジン、アントシアニン、カテキン等は、各種植物体中に存在する化合物群であり、抗ウイルス活性を含む種々の生理活性を有することが知られている。例えば、抗ウイルス活性に関しては、ブドウ色素(アントシアニン色素等)を含有しオーエスキー、鶏ガンボロ病、ニューカスル病、イヌヘルペス、パルボウイルスに有効な抗ウイルス剤(特許文献1参照)、茶ポリフェノール(カテキン類等)を含有する家畜のコロナウイルス感染予防剤(特許文献2参照)、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス(RSV)に有効なプロアントシアニジンポリマー(特許文献3参照)などが公知である。

特開平8-27015号公報 特開2000-44473号公報 特許第3448052号公報

本発明の課題は、新規な抗SARSコロナウイルス剤、SARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤を提供することにある。

本発明者らは、プロアントシアニジン、カテキンおよびブドウ抽出物が抗SARSコロナウイルス活性(SARSコロナウイルスの増殖阻害活性)を有することを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、以下に関する。

(1)プロアントシアニジンまたはカテキンを有効成分とする、抗SARSコロナウイルス剤。

(2)ブドウ抽出物を有効成分とする、抗SARSコロナウイルス剤。

(3)プロアントシアニジンまたはカテキンを有効成分とする、SARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤。

(4)ブドウ抽出物を有効成分とする、SARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤。

(5)SARSコロナウイルス感染症が、SARSである上記(3)または(4)記載の予防剤または治療剤。

(6)上記(1)または(2)記載の抗SARSコロナウイルス剤を含有する、飲食品、医薬品または化粧品。

(7)上記(3)または(4)に記載の抗SARSコロナウイルス剤を含有する、飲食品、医薬品または化粧品。

(8)プロアントシアニジン、カテキンまたはブドウ抽出物を含有し、SARSコロナウイルス感染症の予防または改善のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品。

本発明の抗SARSコロナウイルス剤は、SARSコロナウイルスの増殖阻害活性を示すので、SARSに代表されるSARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤として使用できる。本発明は、SARSコロナウイルス感染症の拡大阻止、感染者の症状軽減のために有用である。

以下、本発明を具体的に説明する。

〔プロアントシアニジンまたはカテキンを有効成分とする抗SARSコロナウイルス剤〕

本発明の抗SARSコロナウイルス剤は、プロアントシアニジンを有効成分とする。プロアントシアニジンとは、各種植物体中に存在する縮合型タンニン、すなわちフラバン−3−オールまたはフラバン−3,4−ジオールを構成単位として重合により結合した化合物群であって、酸処理によりシアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニジン等のアントシアニジンを生成するものである。本発明のプロアントシアニジンには、上記構成単位の重合体(2量体以上)であるプロシアニジン、プロデルフィニジン、プロペラルゴニジン等が含まれる。また、本発明のプロアントシアニジンは上記化合物の立体異性体、配糖体、没食子酸エステルまたはカフェ酸エステル等の各種誘導体が含まれる。

本発明においてプロアントシアニジンは、種々の分子量(重合度)のプロアントシアニジンの混合物として使用できる。また、分子量(重合度)に応じて分画したプロアントシアニジン組成物を単独または混合し、抗SARSコロナウイルス剤として使用することもできる。実施例に示す通り、平均重合度=4、平均重合度=11、2〜4量体または5〜7量体のプロアントシアニジン組成物はいずれも抗SARSコロナウイルス剤活性を示す。

プロアントシアニジンは、植物体や微生物体からの抽出法、発酵法、化学的もしくは酵素的合成法等により得ることができる。また、プロアントシアニジンとしては市販品、例えばブドウ種子由来の商品名「グラヴィノール」(キッコーマン(株))、りんご未熟果由来の商品名「アップルフェノン」(ニッカウヰスキー(株))、海岸松の樹皮由来の商品名「ピクノジェノール」(ホーファーリサーチ社(スイス))等が使用できる。

プロアントシアニジンを抽出するための植物体としては、ブドウ、クランベリー、カカオ、リンゴ、小豆、柿、キャベツ、大麦、麦芽、クルミ、アーモンド、杉、桧、松、栃、樫、乾姜(カンキョウ)、茗荷(ミョウガ)、葉生姜(ハショウガ)等が利用できる。プロアントシアニジンが得られる限り植物体のどの部分を抽出してもよく、例えば、花、実、種子、果実、果肉、皮類、根、樹木、樹皮、葉などの組織が使用できる。植物体は、乾燥物、生のもの、発酵させたものの何れでもよい。更に、果実のジュース、果実酒、ビール類、またはそれらの製造の際副産物として生成する粕類、または植物体の加工品なども利用できる。プロアントシアニジン含有量が高いという点で、抽出原料としてはブドウの種子または果皮が好適である。ブドウ原料から高純度のプロアントシアニジンを得るためには、特開平11-080148公報記載の方法を使用すればよい。

各種の植物体原料を、溶媒を用いて適当な条件下で抽出し、抽出液から溶媒を減圧留去などによって除去すれば、濃縮物や乾燥物の状態で粗プロアントシアニジン画分が得られる。抽出に際しては、還流させながら抽出を行うことが好ましい。溶媒とは例えば、冷水、熱水、低級アルコール、アセトン、アルキルケトン、酢酸、酢酸エチル、n−ヘキサン、液体二酸化炭素等であり、特に含水低級アルコールおよび含水アセトンが好適である。溶媒は2種類以上混合してもよい。

上記で得られた粗プロアントシアニジンを本発明の抗SARSコロナウイルス剤としてもよいが、上記で得られた粗プロアントシアニジン画分を更に、セファデックス、ポリアミド、シリカゲル、ODS等を用いたカラムクロマトグラフ、セルロース膜等を用いた膜分離、酢酸エチル−水等を用いた液液分離など精製・分離・脱色操作を行うことにより、より高純度の、あるいは望む重合度のプロアントシアニジンを得ることができる。

また、粗プロアントシアニジンにサッカロマイセス属、チゴサッカロマイセス属等に属する酵母を添加し、発酵させれば、抽出物中に不純物として含有される糖分が資化されてアルコールと二酸化炭素になり、相対的にプロアントシアニジン純度を向上させることもできる。

また、本発明の抗SARSコロナウイルス剤は、カテキンを有効成分とする。カテキン(Catechin)とは、フラバン−3−オールの代表的化合物であり、縮合型タンニンの前駆体の1つである。本発明のカテキンには、カテキン類及び没食子酸エステル等のカテキン誘導体が含まれ、具体的には例えば、(+)-カテキン、(−)-エピカテキン、(+)-ガロカテキン、(−)-エピガロカテキン、(−)-エピカテキンガレート、(+)-カテキンガレート、(−)-エピガロカテキンガレート等が挙げられる。カテキンは、植物体や微生物体からの抽出法、発酵法、化学的もしくは酵素的合成法等により得ることができる。カテキンは、茶やブドウ等の植物原料の有機溶媒抽出物から、プロアントシアニジンを精製する方法と同様の方法によって得ることができる。

〔ブドウ抽出物を有効成分とする抗SARSコロナウイルス剤〕

また、本発明の抗SARSコロナウイルス剤は、ブドウ抽出物を有効成分とする。抗SARSコロナウイルス活性を有する成分が得られる限り、ブドウ抽出物の組成は限定されないが、プロアントシアニジンを高濃度に含有するものが特に好ましい。

本発明のブドウ抽出物は、例えば以下の方法により調製可能である。

抽出原料となるブドウの種類は、白ブドウ、赤ブドウ、黒ブドウ等のいずれでもよく、例えばシャルドネ種、リースリング種、ミラトルガウ種、ナイアガラ種、ネオ・マスカット種、甲州種、白羽種(リカチテリ種)、巨峰種、デラウェア種、セレサ種、マスカットベリーA種等が挙げられる。

上記ブドウの種子、果実、果肉、皮類が抽出に供される。飲料やワイン製造において利用されたブドウ果実を圧搾して果汁を採取した残渣、すなわち搾汁粕や赤ワイン製造の際の前発酵後に圧搾して得られる搾汁粕を抽出に供してもよい。種子は通常搾汁粕中に約5〜20%(w/w)含まれるが、プロアントシアニジン含量が高く、糖類などの夾雑物の含量も少ないため、好適な原料である。

上記のブドウ原料を、水又は有機溶媒等を用いて適当な条件下で抽出することにより有効成分が得られる。抽出に際しては、還流させながら抽出を行うことが好ましい。有機溶媒とは例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の水溶性アルコール類、アセトン、エチルメチルケトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸等である。水溶性有機溶媒は単独で用いてもよいが、任意の比で水と混合して用いてもよい。

毒性が低いこと、沸点が比較的低いため抽出後の除去が容易である、入手容易等の理由から、水溶性有機溶媒としてはエタノールが好ましい。抽出効率を高く、不純物の割合を少なくするためには、エタノール:水の混合比は1:1〜4:1(v/v)が好ましい。

抽出する際のブドウ原料(無水物換算)に対する溶媒の量は特に限定しないが、通常1〜20倍量(v/w)、好ましくは2〜6倍量である。また必要により少量の界面活性剤(例えばショ糖脂肪酸エステル等)や酸化防止剤(例えばアスコルビン酸等)などを加えてもよい。また必要により、窒素やアルゴンなどの不活ガス雰囲気下で抽出を行ってもよい。

ブドウ原料の抽出に際しては、還流させながら抽出を行うことが好ましい。抽出時間は、溶媒量、溶媒の種類、温度等の抽出条件に左右されるが、通常10分〜24時間であり、好ましくは30分〜2時間程度である。

なお抽出前にブドウ原料を水と接触させ、水溶性の不純物を減少させてから抽出を行うことにより、抽出物中の有効成分の含量を向上させることができる。

上記で得られたブドウ抽出物を本発明の抗SARSコロナウイルス剤として使用することもできるが、更に、セファデックス、ポリアミド、シリカゲル、ODS等を用いたカラムクロマトグラフ、セルロース膜等を用いた膜分離、酢酸エチル−水等を用いた液液分離、酵母等の微生物の添加による不純物の分解など精製・分離・脱色操作を行うことにより、より高純度に有効成分を含有する抽出物を得ることができる。

上記によって得られるブドウ抽出物には、プロアントシアニジン、カテキンおよびその他の有効成分が含まれており、抗SARSコロナウイルス活性を有することから、本発明の抗SARSコロナウイルス剤として有用である。

〔SARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤〕

プロアントシアニジン、カテキンまたはブドウ抽出物は、抗SARSコロナウイルス活性を有するので、SARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤として使用できる。SARSコロナウイルス感染症とは、コロナウイルスの感染によって引き起こされるSARSの症状、具体的には例えば、38℃以上の発熱、咳、息切れ、呼吸困難、肺炎、呼吸窮迫症候群、頭痛、悪寒戦慄、食欲不振、全身倦怠感、下痢、意識混濁等である。

プロアントシアニジンまたはカテキンを、SARSコロナウイルス感染症の予防または治療用として使用する場合、プロアントシアニジンまたはカテキンの乾燥重量として例えば50〜1000mg/成人/日、好ましくは100〜400mg/成人/日程度の量を、服用者が経口あるいは非経口的に摂取すればよい。上記の摂取量は、摂取者の体調、性別、年齢、摂取の目的(予防、治療または症状軽減等)に応じて適宜設定すればよい。

また、ブドウ抽出物は、SARSコロナウイルス感染症の予防または治療用として使用する場合も、その摂取量は目的に応じて適宜設定すればよい。

〔本発明の剤を含有する、飲食品、医薬品または化粧品〕

本発明の抗SARSコロナウイルス剤、SARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤(以下「本発明の剤」と総称する)は、そのままあるいは他の成分と混合し、飲食品、医薬品または化粧品として使用できる。

本発明の剤を飲食品として使用する場合、本発明の剤を、適当な飲食品、例えばパン、ビスケット、シリアル、麺類をはじめとするでんぷん系食品、あるいはキャンディー、ガム、アイスクリーム、乳製品、茶飲料、ジュース、炭酸飲料、コーヒー飲料、調味料、惣菜に添加すればよい。また、本発明の剤は、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、シロップ剤またはドリンク剤タイプの機能性食品として使用することもできる。

なお、本発明の飲食品の一態様として、「プロアントシアニジン、カテキンまたはブドウ抽出物を含有し、SARSコロナウイルス感染症の予防または改善のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品」を挙げることができる。当該飲食品においては、プロアントシアニジン、カテキンまたはブドウ抽出物を1種または混合して使用できる。

本発明の剤を医薬品として使用する場合、他の成分とともに経口剤または非経口剤として製剤化することができる。経口剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、シロップ剤、ドリンク剤等が、非経口剤としては無菌溶液剤、懸濁液剤等の注射剤、軟膏剤、クリーム、水剤等の外用剤等が挙げられる。

製剤化において使用される他の成分とは例えば、他の抗ウイルス剤、デキストリン・セルロース等の賦形剤、ゼラチン・アラビアゴム等の統合剤、ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤、ゼラチン化澱粉、アルギン酸等の膨化剤、ショ糖・乳糖等の甘味料、セラツク・砂糖等の被覆剤、香料、防腐剤、酸化防止剤、緩衝剤等である。また、カプセル剤の場合は、上記の材料に加えて油脂のような液体担体を含有させることもできる。

本発明の剤を化粧品として使用する場合、他の成分とともに化粧品に添加して使用すればよい。

実施例1では、被検物質であるブドウ抽出物、ブドウ抽出物由来のプロアントシアニジン、リンゴ由来のプロアントシアニジンおよびブドウ抽出物由来のカテキンの抗SARSコロナウイルス活性(SARSコロナウイルスの増殖阻害活性)を評価した。

具体的には、SARSコロナウイルスを感染させたアフリカミドリザル腎臓由来のVero細胞の培養細胞(急性感染系)に、被検物質を各種濃度となるように加え、一定時間後の培養上清中のウイルス量を測定した。同時に、非感染Vero細胞においてアクチン量を指標に被検物質各種濃度の細胞障害作用も測定した。細胞障害作用を示さない濃度において、被検物質の抗SARSコロナウイルス活性が認められた。

1.ブドウ抽出物の調製

ブドウ抽出物の調製は、以下の方法により行った。

まず、白羽種、ミラトルガウ種、リースリング種、シャルドネ種のブドウ種子混合物1000gを、30〜40℃で2時間水浸漬した後、固液分離して水溶性の不純物を除去した。次いで含水エタノール(エタノール:水の混合比が2:1(v/v))で約2時間還流抽出し、固液分離して得られた抽出液を約20%(w/v)まで減圧濃縮した。次いで濃縮物をスプレードライして約60gの乾燥粉末を得、乾燥粉末をブドウ抽出物とした。塩酸−バニリン法による総フラバノール分析(R.B. Broadhurst, et al, J. Sci. Food Agric., Vol. 29, 788-794 (1978))と総カテキン分析(S. Kitao, et al, Biosci. Biotech. Biochem, Vol.57, 2010-2015 (1993))により該ブドウ抽出物が、プロアントシアニジンを約95%含有することを確認した。

2.各種のプロアントシアニジン画分の調製

上記1.で得たブドウ抽出物から、カテキン画分(フラバン-3-オールの1量体画分)およびプロアントシアニジン画分として、平均重合度=4(低分子画分)、平均重合度=11(高分子画分)、2〜4量体の混合物、5〜7量体の混合物を調製した。

上記によって得られたブドウ抽出物約20gを10%(w/v)の濃度で含水エタノール(エタノール:水の混合比が約1:9(v/v))に溶解した後、限外濾過メンブレン(ミリポア社製)処理を行った。透過側及び阻止側画分をそれぞれ減圧乾燥後凍結乾燥して、低分子画分約7g、高分子画分約13gを得た。

また上記と同様の方法によって得られた、ブドウ抽出物低分子画分約7gをセファデックスカラム(ファルマシアバイオテック社製)に供し、アセトン−エタノール混液で溶出し、薄層クロマトグラフィーで追跡しながら、目的画分を特定し、それぞれを減圧濃縮後、凍結乾燥してカテキン画分約2g、2〜4量体の混合物約2g、5〜7量体の混合物約1gを得た。2量体画分は2〜4量体の混合物をさらに同じカラムクロマトグラフィーで精製して調製した。

3.ウイルス感染と力価の測定

被検物質の抗SARSコロナウイルス活性は、以下の方法により測定した。SARSコロナウイルス(以下、「SARS−CoV」とも表現する)は、FFM-1株(Dr.HW. Doerr,Frankfrut University of Medicine, Germanyより分与)を用いた。培養細胞はVeroを用い、培地はダルベッコの最小必須 (DMEM) に10%ウシ胎児血清を添加したものを用い、5% CO2存在下において37℃で培養した。なお、上記Vero細胞は(株)大日本製薬より購入した。

ウイルス感染は、90%単層が形成された培養細胞に、細胞1個当たりのウイルス量が0.1(MOI=0.1, Multiplicity of infection)となる条件で行い(Tuker,P.C.ら, J. Virol. 71: 6106, 1997)、感染と同時に被検物質(ブドウ抽出物または各種のプロアントシアニジン画分)を培養液1ml当り100,30,10,3,1μg/ml加え、24、48時間後に培養液を回収しウイルス量を測定した。

ウイルス力価の測定は、以下のようなプラーク形成法で行った。回収した培養上清を1% ウシ血清アルブミンを加えたPBA(−) (Mg2+, Ca2+を含まない0.05Mリン酸緩衝液、0.15M NaCl、pH7.0)で10倍階段希釈し、各0.2mlづつをそれぞれのウエル(6ウエルプレート)に接種した。25℃で60分間感染させた後1.0% メチルセルロースを加えたDMEM (5%ウシ胎児血清含有)で4日間培養した。培養後、メチルセルロースを取り除き、細胞を2.5% クリスタルバイオレット(30% エチルアルコール、1% シュウ酸アンモニウム中)で染色し、PBS(−)で3回洗浄/脱色後、プラーク数の平均値(3個のウエル)から1ml中のウイルス量を“PFU (Plaque Forming Unit)/mlとして算出した(Tuker, P.C.ら, J.Virol.71:6106, 1997)。

また、以上の方法を用いて被検物質のIC50値〔SARS−CoVの増殖を50%阻害する濃度(Inhibitory concentration、(μg/ml))を求めた。

4.被検物質の細胞毒性の測定法

被検物質の細胞毒性の測定は、以下の方法で行った。6ウェルプレートに培養したVero細胞(1well当たり2.5mlの培地、2×106 個の細胞)に各検体を0、1、3、10、30、100μg/ml加え、37℃で培養、48時間後に全細胞を0.4mlのSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAGE)用のサンプルバッファーに回収し、全タンパク質をSDS−PAGEで分離し、クマージー・ブリリアントブルーR250(CBB)で染色/7%酢酸で脱色後、画像をCCDカメラで撮影し画像解析ソフト(The Analytical Imaging System AIS. アマシャム/ファルマシア社)によりアクチンバンドの濃度を測定した。添加検体0μg/mlを1(対照)とし、相対的な濃度より細胞障害の程度を測定した(Nakatsue,M.ら, Biochem. Biophys.Res.Commun.253:59,1998)。

また、別法として同様の資料をSDS−PAGEで分離後、タンパク質をPVDF膜(Polyvinylidene fluolide)に転写後、アクチン、Bcl−2などの標準タンパク質の抗体(サンタクルズ社)で免疫ブロットを行い、同様に画像解析から相対的な細胞障害を測定した。 免疫ブロットには一次抗体として抗ウサギ抗体、二次抗体にはアルカリホスファターゼで標識した抗ウサギ−ヤギ抗体(サンタクルズ社)を用い、NBT(ニトロブルーテトラゾリュウム塩、ベーリンガー社)による発色で検出した(Yoshinaka,Y.ら, Biochem. Biophy.Res.Commun.261:139,1999)。

SARS−CoV感染後のVero細胞の生存とウイルス増殖を経時的に示し、上記方法の項で記載したようにアクチン量を免疫ブロット法で感染0日のアクチンの量を1(細胞数2×106)とし定量した。同様に被検物質で2日間処理した細胞についても被検物質を含まない検体を1として比較し、CTC5値〔5%細胞障害(Cyto-toxic concentration)が認められる濃度(μg/ml)〕を求めた。

〔結果:被検物質の抗SARSコロナウイルス活性〕

ウイルス感染と同時に各被検物質を加えて24時間培養したVero細胞の上清中のウイルス力価を図1に示す。図中の「Crude」はブドウ抽出物、「High」はプロアントシアニジンの平均重合度=11のプロアントシアニジン(高分子画分)、「Low」は平均重合度=4のプロアントシアニジン(低分子画分)、「Dimer」は2量体のプロアントシアニジン、「2−4mer」は2〜4量体のプロアントシアニジンの混合物、「5−7mer」は5〜7量体のプロアントシアニジンの混合物、「C1」はリンゴ由来のプロアントシアニジン3量体(コスモバイオ社)を示す。また、「Monomer」はカテキン(フラバノール)を示す。

図1に示すように、各被検物質のSARS−CoVに対する増殖阻害効果は濃度依存的であるとともに、分子量に依存的であった。Crudeや高分子画分では濃度100μg/mlで抗ウイルス活性が見られたが、同時に細胞障害も観察された。

上記3.4.の実験結果から、各被検物質のIC50値と細胞障害のCTC5値を求め、表1にまとめた。ブドウ由来のプロアントシアニジンはどの画分においても細胞障害が見られない濃度でSARS−CoVの増殖を阻害する。IC50/CTC5の比は比較的低分子のものが高い値を示した。

また、ウイルス液(5×107PFU/ml)と各被検物質液(100μg/ml)を混合し37℃で60分反応させウイルスの不活化を調べた。5〜10%の不活化が観察されるが、顕著な直接作用は認められなかった。

以上の結果より、ブドウ抽出物、プロアントシアニジンおよびカテキンは抗SARSコロナウイルス活性を有し、抗SARSコロナウイルス剤、SARSコロナウイルス感染症の予防剤または治療剤として有用であることが示された。

実施例2では、実施例1の急性感染系とは異なるSARS−CoV持続感染Vero細胞を用いてブドウ抽出物由来のプロアントシアニジンの効果を評価した。

SARS−CoV持続感染Vero細胞は、被検物質を含まない感染細胞を培養し続けることにより得ることが出来る。感染後、3-4日目に生存細胞数が最小となるが、以降生存細胞が再び増殖をはじめ感染後、7-8日目で感染前の細胞数に回復し、ウイルスを産生しながら生存し持続感染細胞となる。このような持続感染細胞に被検物質を添加し、ウイルス増殖阻害活性を上記急性感染の場合と同様に調べた。

ウイルスに持続感染系で抗ウイルス作用を示し、感染細胞の生存を助長する抗ウイルス剤は稀であるが、ブドウ由来のプロアントシアニジンはその効果を示した。

〔持続感染細胞を用いた抗ウイルス活性の測定法〕

被検物質として、実施例1で用いた、2〜4量体のプロアントシアニジンの混合物(ブドウ由来)を使用した。

SARS−CoV感染Vero細胞は持続感染細胞となるが、数代継代後4代目の細胞(2×105個)を6ウエルプレートに培養し、各種濃度の被検物質を加え24時間毎に培養上清を回収し、実施例1と同様の方法でウイルス力価を測定するとともに、24時間毎に顕微鏡観察を行い細胞の成育状態を観察した。また、適宜必要に応じ細胞を回収し実施例1と同様に細胞障害について調べた。

〔結果〕

各種濃度の被検物質を添加後、3日目に培養上清、細胞を回収しウイルス力価と生存細胞数を比較した。図2に結果を示す。図中の「cell」は被検物質を各種濃度で添加した場合の生存細胞数(cell number)を示し、「SARS-CoV」は被検物質を各種濃度で含有する培養上清のウイルス力価(PFU)を示す。

実施例1と同様に高濃度の被検物質(100μg/ml)ではウイルス増殖は強く阻害されるが、同時に細胞障害も見られた。しかしながら、非常に顕著な結果は30μg/ml以下の濃度においてウイルス増殖の阻害と平行して生存細胞の増加が観察された。特に、30μg/ml、10μg/mlの濃度では細胞数はそれぞれ3.3倍、2.8倍に増加していた。それに反しウイルス増殖は、それぞれ1/60、1/200に阻害されていた。

以上の結果より、ブドウ由来プロアントシアニジンはウイルスの持続感染系においてもウイルス増殖阻害活性を示すことが確認された。さらに、ウイルス増殖を阻害した結果、生存する細胞の増加が観察されたことは、多くの他のウイルス慢性感染系における効果を期待させるものである。

実施例1で得た乾燥粉末状のブドウ抽出物を用いて、抗SARSコロナウイルス剤を含有する飲食品、医薬品または化粧品を調整することができる。ブドウ抽出物の代わりに各種重合度のプロアントシアニジンあるいはカテキンを使用しても良い。実施例3の飲食品、医薬品または化粧品は、SARSコロナウイルス感染症の予防用または治療用として摂取することができる。

<錠剤タイプの内服剤または機能性食品>

ブドウ抽出物10mg、乳糖80mg、トウモロコシデンプン8mg、ステアリン酸マグネシウム2mg、以上を1錠分として常法により錠剤化する。この錠剤は、内服用の医薬品または機能性食品として使用できる。

<乳化液剤タイプ内服剤または機能性食品>

ブドウ抽出物100mg、中鎖飽和脂肪酸トリグリセリド70mg、ビタミンE1mg、オレンジ油20mg、デカグリセリンモノステアレート30mg、グリセリン750mg、ブドウ糖10g、クエン酸1g、アスコルビン酸500mg、以上を水に加えて全量を100mlとし、常法により分散乳化処理して、乳化液剤とする。この液剤は、内服用の医薬品または機能性食品として使用できる。

<硬質カプセルタイプ内服剤または機能性食品>

ブドウ抽出物10mg、バレイショデンプン6mg、軽質無水ケイ酸4mg、ステアリン酸カルシウム1mg、乳糖80mg、以上を1錠分として含むカプセルを常法により得る。

<散剤及び顆粒剤タイプの内服剤または機能性食品>

ブドウ抽出物0.1g、トウモロコシデンプン1.1g、乳糖0.8g、以上を一包分とする散剤または顆粒剤を常法に従い調製する。この散剤または顆粒剤は内服剤または機能性食品として使用できる。

<注射剤>

ブドウ抽出物2%、界面活性剤8%、生理食塩水90%、以上を重量比で含む混合液を加熱滅菌して注射剤とする。

<シリアルタイプ健康志向食品>

ブドウ抽出物25g、薄力粉890g、グラニュー糖80g、炭酸カルシウム5gを粉体均一混合後、エクストルーダーを用い常法によりシリアルとする。このシリアルは、継続的摂取が可能な機能性食品として使用できる。

<キャンディータイプ健康志向食品>

ブドウ抽出物5g、砂糖43g、水飴42g、水5g、果汁2g、増粘剤2g、アスコルビン酸1g、香料0.1g、ビタミンE0.1gを常法に従い、5g/個のキャンディーとする。

<飲料タイプ健康志向食品>

ブドウ抽出物15g、オレンジジュース(果汁100%)985gをミキサーにて混合して均一な飲料とする。

実施例1に記載した、ブドウ抽出物、プロアントシアニジンおよびカテキンの抗SARSコロナウイルス活性を示す。 実施例2に記載した、SARS−CoV持続感染Vero細胞におけるプロアントシアニジンの抗SARSコロナウイルス活性を示す



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