磯遊びぞろぞろ婆戻り来る 茨木和生
泉あり古墳をひとつ抜けたれば 同
ひぐらしや杉はますます真直ぐにて 同
https://mi-mollet.com/articles/-/23726
【コロナと共生する知恵】手の洗いすぎ、消毒のしすぎは感染リスクを高める恐れも
2020.6.9 本間 真二郎 より
新型コロナウイルスの感染予防といえば、まずは手洗いに消毒です。が、その手洗いの頻度、つまり洗いすぎや、消毒のしすぎによっては、「かえって逆効果になる可能性がある」ということをご存知でしょうか。書籍『感染を恐れない暮らし方 新型コロナからあなたと家族を守る医食住50の工夫』の著者で、小児科医・ウイルス学研究者である本間真二郎さんにお話を伺いました。
接触感染を防ぐには、まず手洗い。けれど……
手洗いや手指の消毒は、ウイルスの接触感染を防ぐのにとても有効です。皮膚は粘膜ではありませんので、傷がない正常な皮膚は、特殊な病原体でなければほぼ完璧に感染(体内への侵入)を防ぎます。
接触感染では手を介した場合がもっとも多くなりますので、手についても感染する前に手を洗う、消毒することで感染を防ぐことができるのです。通常は石けんを使って洗うことが多いでしょう。
手指の消毒も外出先など、手が洗えない場面では欠かせません。
今回の新型コロナウイルスは、インフルエンザと同じようなウイルスです。石けんやアルコールにはある程度の効果があると考えられます。
ですから、感染予防の基本として、「石けんで手をよく頻回に洗い、さらにアルコールで消毒する」という方法が推奨されているのです。
しかし、そのいっぽうで、手洗いをしすぎる、石けんを使いすぎる、消毒をすることで、むしろ感染のリスクを高くするという考え方もあります。
「手を洗い、消毒するほうがいいのか?」
「手をあまり洗わず、消毒もしないほうがいいのか?」
じつはどちらも正解なのです。
身の回りの微生物をなくすと、バリア機能が失われる
手洗い、消毒するということは、病気をおこす病原体(今回の場合は新型コロナウイルス)を積極的に攻撃して排除して防ぐ効果がある一方、過度な石けんの使用や消毒は、皮膚に存在する常在菌にとっては大きなダメージにつながります。
常在菌とは、自分のからだの内側と外側に存在する細菌や微生物の総称です。
本来、人のからだの内も外も微生物だらけであり、たとえば腸内細菌は約100兆個も存在しています。人はそれらの微生物と共存している生物です。
そして、それらの微生物が人の健康にとってもっとも大事なのです。
たとえば、自分のからだを守るのが免疫の働きですが、この免疫のシステムは、生まれてから毎日毎日、自分の身のまわりの微生物とコミュニケーションをとりながら成長、完成、成熟しています。その微生物を排除しすぎることは、自分のバリア機能をみずから下げていることにもつながるのです。
つまり、感染予防やあらゆる健康にとって、通常の皮脂や常在菌がとても大切であるという点では、なるべく手洗いや消毒をしないほうが自分の防御力を上げるという考えになります。
身のまわりの微生物をなくすことは、自分のバリアを失うことであり、ちょっとした軽い感染や新規の感染症に対して免疫力、抵抗力を失ってしまうのです。
これが失われたことによる免疫系の機能異常が、新しい感染症の出現とその対応能力が低下している最大の理由──と私は考えています。
手洗いも消毒も、必要最小限に
では、これからの私たちは、実際にどう行動すればいいのでしょうか。
私は、通常の日常生活ではなるべく不自然なことをせずに、粘膜や環境の防御が大切であると考えています。つまり、手洗いも消毒も必要最小限にとどめています。
◉外出先から帰宅したとき。
◉食事をつくる前や食べる前。
◉トイレのあと。
◉あきらかに汚れた場合……など
これはコロナが流行する前とあまり変わらない、と思われる方もいるかもしれませんが、それでいいのです。
また、ドアノブなどの消毒も普段は行っていません。健康な人は心配しすぎないことが大切なのです。
ただ、現代人の多くが常在菌などのバリアをすでに失っていることや、コロナ感染症の第二波や第三波を考えると、それなりの注意と対策は必須になります。
うがいの消毒液は有効か?
もう一点、口の中の消毒、つまりうがいはどうでしょうか。
これもあまりおすすめはできません。消毒液を使ったうがいをしても、表面の菌やウイルスにしか効果はなく、また完全に除去することはできませんので、うがいの感染防止効果はほとんどないと思います。
たくさんある消毒液のなかで粘膜(口の中)に使えるのはポビドンヨード(商品名=イソジンなど)くらいしかありません。ポビドンヨードは殺菌効果や抗ウイルス効果はあるのですが、粘膜を傷め、常在菌や環境にも大きな影響を与えますので私はおすすめしていないのです。
最大の感染予防対策は普段から免疫力、抵抗力を上げておくことにつきます。
すべては腸内細菌を元気にする生活に集約されるのです。
https://mi-mollet.com/articles/-/23727?fbclid=IwAR3TT7OdMIFauaW9x5h39zKLP5TUxmzZlLX7urWIQtsZb9PyWgiGorlabA8
【鍵は腸内環境にあり】 より2020.6.10 本間 真二郎本間 真二郎
新型コロナウイルスへの感染予防対策として、「微生物を排除しすぎることは、自分のバリア機能をみずから下げていることにもなる」と提唱している、書籍『感染を恐れない暮らし方 新型コロナからあなたと家族を守る医食住50の工夫』の著者で、小児科医・ウイルス学研究者である本間真二郎さん。
新型コロナウイルスへの最大の感染予防対策に普段からしておきたい“日常生活の習慣”を伺いました。
最大の感染予防策は、腸内細菌を元気にすること
今、手洗いや消毒で微生物を不自然に排除していることが、私たちの健康を損なっている大きな要因となっています。なぜなら私たちは、常在菌である微生物に外側(皮膚)も内側(腸内や口腔内)も囲まれていることこそが自然な状態で、健康な状態だからです。
常在菌のすべてが大切なのですが、なかでももっとも数が多く、もっとも重要なのは「腸内細菌」です。
ひとりの人の体内には腸内細菌が1000種類以上、総数にして100兆個以上いると言われており、これら全体を「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と言います。
これは、人のからだを構成する約37兆個の細胞数よりもはるかに多く、総重量は1~1.5㎏にもなり、脳や肝臓に匹敵する重さがあるのです。
よい塩をとる、唾液をたくさん出す、発酵食品をとる
つまり、感染予防対策の根本は、「腸内細菌」を元気にする生活をすること。簡単に言えば、以下のような暮らし方を大切にしたいものです。
◉水分をよくとる(食事以外のときに)
◉よい塩(ミネラルが多い天日海塩)をとる
◉唾液をたくさん出すようにする
◉食べすぎない
◉地産地消で旬のものをとる
◉精製食品、加工食品をとらない
◉食物繊維をとる
◉発酵食品をとる
◉よく噛む
そのうえで、できるだけ摂取を控えたいものとしては、砂糖、牛乳、小麦、油もの全般、食品添加物、化学調味料、遺伝子組み換え食品……。そして、放射性物質なども避けたいものです。
腸内は多様性が大切、悪玉菌にも役割がある
腸内細菌は善玉菌と悪玉菌に分けられ、からだにいい影響を与えるのが善玉菌で、悪い働きをするのが悪玉菌。
ですが、体内でいちばん数が多いのは善玉と悪玉のどちらにも属さない日和見菌という菌。善玉菌が増えれば善玉菌のように働き、悪玉菌が増えれば悪玉菌のように働くタイプの菌です。
腸内細菌の状態の良し悪しは多様性とバランスで決まります。腸内細菌はなるべく多様、つまり種類が多ければ多いほどいい。健康な人ほど腸内細菌が多様性に富み、病気の人はひどく偏ったパターンを示すことが多いのです。
ですから、最近の健康ブームでよく耳にするような、「○○菌や○○株などの特定の菌だけを増やそう」という健康食品やサプリメントには注意が必要です。
そしてひとつ重要なのは、この世界に存在するすべてのものには意味があり、悪玉菌の働きも必要だということ。悪玉菌をすべてなくしてしまうと、善玉菌はサボって働かなくなることがわかっています。善玉菌をきちんと働かせるためにも、悪玉菌の存在が必要なのです。悪玉菌がいても、それ以上に善玉菌がいる状態にすればいいのです。
腸内細菌は免疫を活性化させ、感染を防ぐ
腸内細菌の状態がよい、ということは主に以下のようなメリットがあります。
◉病原菌の侵入を防ぐ。
◉食物の消化、吸収を助ける。
◉有害物質(農薬、添加物、発がん性物質、放射性物質など)を分解する。
◉免疫を活性化させ、感染を防ぎ、炎症、アレルギー性疾患などを抑制する。
このように、腸内細菌は人の健康を根本から支えています。
新型コロナウイルスへの感染予防対策は、やはり腸内細菌を整えることにあるのです。
<新刊紹介>
『感染を恐れない暮らし方 新型コロナからあなたと家族を守る医食住50の工夫』
(講談社)
定価:1650円
著者:本間真二郎
ISBN 978-4-06-520424-5
「感染しない」「発症させない」「重症化させない」――新型コロナからあなたと家族を守るためにもっとも大切なことは、「免疫力」と「自然治癒力」を生活のなかで高めていくこと。米国のNIH(アメリカ国立衛生研究所)出身のウイルス学研究者で那須烏山の自然派医師が実践する自然に沿った暮らし方で、感染を遠ざけ、万一感染しても追い出す力を備える。
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