アルテミシニン

Facebook・小早川 智さん投稿記事よもぎの成分が癌細胞を死滅

https://blog.sophiawoodsinstitute.com/wp/%e3%82%88%e3%82%82%e3%81%8e%e3%81%ae%e6%88%90%e5%88%86/

「アルテミシニンは、ただそれだけでも、健康的な細胞の約100倍もの癌細胞を選択的に死滅させることができるだけでなく、抗がん剤よりも34,000倍も正確に癌細胞だけを死滅させることができます。」

by ワシントン大学のヘンリー・ライ博士

以下抜粋

『Life Sciences, Cancer Letters and Anticancer Drugs』に発表された研究論文によれば、東洋医学(漢方)で古来から薬としてもちいられることもある、ヨモギから抽出される、アルテミシニン(artemisinin)と呼ばれる成分が、健康的な細胞1つに対して、1万2,000個もの癌細胞を死滅させたと報告しています。

「アルテミシニンは、ただそれだけでも、健康的な細胞の約100倍もの癌細胞を選択的に死滅させることができるだけでなく、抗がん剤よりも34,000倍も正確に癌細胞だけを死滅させることができます。」

と、ワシントン大学の研究チームのリーダーであるヘンリー・ライ博士は言います。

ヘンリー・ライ博士のチームは、アルテミシニンの癌死滅能力を更に高めるために、癌細胞がもつ鉄分への食欲を利用して、アルテミシニンに鉄分(トランスフェリン)を結びつけた化合物を開発しました。

周りにくっつけたトランスフェリン自体はニュートラルな成分なので、癌細胞は疑いもなく化合物を受け取ります。

でも、中にはアルテミシニンが隠れているので、この化合物は、トロイの木馬のように、癌細胞の中に入り込み、癌細胞を破滅させるように効率的に働くのです。

この化合物は、既に特許を取得していますが、まだ人間への投与、つまり臨床試験には至っていません。

ヨモギは鉄分の多いハーブ

ヨモギは、非常に鉄分の多い野菜・ハーブです。野菜では2番目の多さです。

追記(2015/5/6):アルテミシニンと鉄分

ヨモギをそのまま食べても、癌細胞はヨモギの鉄分のみを吸収し、アルテミシニンを吸収しないのではないかとのお問い合わせを受けました。そのため、少し調べてみました。

アルテミシニンは、その分子中にエンドペルオキシド・ブリッジ(endoperoxide bridge)と呼ばれるものを持っており、それが選択的に鉄イオンと結合し、フリーラジカル(殺細胞作用)を発生させる仕組みをもっているとのことでした。

つまり、ヨモギの中には、アルテミシニンと鉄が存在していますので、この二つは、アルテミシニンのエンドペルオキシド・ブリッジによって、既に結合して存在していると考えるのが普通だと思われます。

また、上で紹介した抗がん剤よりも前に開発されたアルテミシニンを使った抗がん剤においては、アルテミシニン製剤の投与(注射)4時間前に、患者に鉄分や鉄の吸収を促進させるビタミンCを(経口)服用させることで、アルテミシニンと鉄分の体内での結合を促させ、癌細胞にその両方を取り込ませるという手法がとられています。

追記(2015/9/23):日本のヨモギにアルテミシニンはない?

ワシントン大学等が使用したヨモギは、日本で一般的なヨモギとは異なる種で、アルテミシンを含んでいるのは、オウカコウだけだ、とのご指摘をいただきましたので、『ヨモギいろいろ – 抗がん成分アルテミシニン含有量比較』に詳しくまとめました。


acrobiotic-daisuki.jp/yomogi-selfcare-45291.html?fbclid=IwAR3QnnWzOxZ44RQPdx3w9UjHM0sdTtF4ERbIcDw0-sRcwscIbthXFP3Tc1o

【万能の天然生薬「よもぎ」の効能と使い方。溜め込んだ毒素を一気にセルフ・デトックスするための方法とは。】


https://www.1kampo.com/topics-13(artesunate).html 【漢方の抗マラリア薬は抗がん作用がある!?:青蒿(セイコウ)とアルテミシニン誘導体の抗がん作用について】

「抗がん生薬」と言われる生薬には「清熱解毒」という薬効をもったものが多く見られます。「清熱」とは抗炎症・解熱作用のことであり、「解毒」とは病原菌(細菌やウイルスなど)を殺したり、体に毒になる物質(発がん物質やフリーラジカルなど)を無毒化することです。

抗菌や抗ウイルス作用は抗がん作用と密接に関連しています。西洋医学で使われる抗がん剤にも、ブレオマイシン、マイトマイシン、ネオカルチノスタチンなど抗生物質から開発されたものが多くあります。細菌を殺すのもがん細胞を殺すのも似ているからです。抗がん剤治療を化学療法とも言いますが、化学療法とは、元来は細菌感染症に対して抗菌物質を使って治療することを指していました。これと同じ考え方でがんに対して抗がん剤を使って治療する場合も化学療法というようになっています。

抗がん剤の中には植物アルカロイド(オンコビン、タキソール、タキソテールなど)もあります。アルカロイド以外にも、フラボノイドやテルペン類など抗腫瘍効果をもった物質が植物から多く見つかっています。植物には、虫や鳥やカビなどの外界からの攻撃から身を守るため、多くの毒を持っており、この毒性物質が抗菌・抗ウイルス・抗がん作用を示していると考えられます。植物由来の生薬の中で、感染症や熱性疾患の治療に用いられているものの中に、がんに対して治療効果を持つものがあるのは不思議ではありません。

抗がん生薬(がんを縮小させる効果をもつ生薬)の中にマラリアの治療に用いられているものがあります。中国の南方地方などではマラリアの治療に漢方薬が古くから使用されていました。このような漢方薬の中から抗がん物質も見つかっています。

青蒿(セイコウ)という生薬は強力な解熱作用があり、マラリアの治療に古くから使用されていました。青蒿はartemisia annuaという植物です。artemisiaとはヨモギのことで、青蒿はキク科ヨモギ属の植物です。英語ではsweet Annieやwormwoodと呼ばれ、和名はクソニンジンとかカワラニンジンと呼ばれています。

その解熱成分のアルテミシニン(artemisinin)とその誘導体はマラリアの特効薬として薬品として開発されています。近年、このアルテミシニン誘導体が抗がん物質として注目を集めています。

アルテミシニン誘導体を使ったがん治療はまだ研究段階ですが、すでに臨床例での検討も行われており、有効性が報告されています。アルテミシニン誘導体は抗マラリア薬として使用され安全性も検討されていますが、がん治療においてはまだ治療法として確立していないので、自己責任のもとに治療を受けなければなりません。

私のクリニックではArtesunateを用いたがんの代替治療を2002年頃から実践していますが、有効例を多数経験しています。

Artesunate (アルテスネイト)を用いた喉頭の扁平上皮癌の治療

Artesunateを用いたがん治療の臨床経験はワシントン大学のNarendra P. Singh博士らグループが何例か報告しています。以下はその1例です。使用法の参考になります。(以前はネット上で紹介されていましたが、現在はそのURLは無くなっています)

症例は72歳の男性。固形物の嚥下困難、声枯れ、頚部の痛みを訴えて受診し、喉頭に3 cm x 2.5 cm x 3 cm大の癌と頚部リンパ節の腫脹を発見された。

診断は、ステージIIの喉頭癌 (T2 N1 M0)で高分化型扁平上皮癌であった。

患者の許可を得てArtesunate (アルテスネイト)による治療が行われた。

第1日目には硫酸鉄(ferrous sulfate、150 mg) と葉酸( folic acid 、0.5 mg) が昼食後の2:00 PM に投与された。artesunate (60 mg) の筋肉注射を15日間連続で10:00 PMに行った。第16日目からはartesunate の錠剤(50 mg) を夕食後の10:00 PM に服用した。

投与しはじめて第4日から第7日にかけて発熱(37.8~38.4℃)があった。治療開始後、声枯れは次第に減弱していき、2週後には声枯れは消失した。固形物を食べられるようになり、食欲も増加した。頚部リンパ節のサイズも小さくなり、喉頭の腫瘍の大きさは、 2.25 cm x 2 cm x 1.5 cmとなり、もとの大きさの70%に減少していた。体重は2kg増加し、体力も増強した。

(考察)これは、artesunateを癌治療に用いた最初の症例である。Artemisinin(アルテミシニン) はArtemesia annua L.という植物から分離されたsesquiterpene lactone(セスキテルペン・ラクトン)であり、マラリアの治療に用いられている。アルテミシニンは分子の中に鉄イオンと反応してフリーラジカルを産生するendoperoxide bridge を持っている。癌細胞はトランスフェリンレセプターを介したメカニズムで鉄を多く取り込んでいるので、癌細胞はアルテミシニンによって障害を受けやすい。

アルテミシニンとholotransferrinを同時に投与すると、白血病細胞は殺されるが正常のリンパ球には障害が及ばないことが報告されている。さらに、アルテミシニン誘導体と硫酸鉄を内服させると、ラットに移植した線維肉腫の増殖が遅くなることが報告されている。より最近の報告によるとアルテミシニン誘導体は抗腫瘍活性があることが知られている。

今回の喉頭癌患者でのアルテミシニン治療では、喉頭癌が縮小し、症状が改善して、しかも副作用がほとんどなかったので、癌の代替治療として有望な薬であることが示唆された。

Artesunate製剤の使い方

ポイント

1。Artesunateは鉄イオンと反応してフリーラジカルを発生して殺細胞作用を示す。

2。癌細胞は鉄の取り込みが高いのでArtesunateによる殺細胞作用を受けやすい。

3。フリーラジカルが細胞障害のメカニズムであるから、抗酸化剤との同時服用は避ける。(抗酸化剤の服用は4時間以上間を空ける)

4。Artesunateを投与する4時間以上前に鉄剤を服用すると抗腫瘍効果を高めることができる。ただし、同時に服用すると胃の中でArtesunateと鉄が反応してしまうので効果が無くなる。

5。ビタミンCは鉄の吸収を良くして、正常組織の酸化障害を回復するので、鉄を服用する時間帯にビタミンCを同時に服用すると効果的。

6。内服後、Artesunateは速やかに吸収されて45分から90分で最高濃度に達する。肝臓で加水分解されて、dihydroartemisininになり、これも抗腫瘍効果がある。血中からの半減期は5~8時間。

使い方

1。アルテスネイト(100mg)を夜10時ころ服用する。

  鉄分やビタミンCの豊富な食事をした場合には4時間くらい空ける。

  体重1kg当たり1~2mgが目安。

  牛乳と一緒に服用するのが良い。

2。昼食後に鉄剤(フェロミア, 50mg)を1錠服用する。

  同時にビタミンCの豊富なジュースを飲むか、ビタミンCのサプリメントを服用すると鉄の吸収が良くなる。

副作用

治療に使う量では副作用は極めて少ないが、以下の症状が現れることがある。

1。発疹、皮膚掻痒

2。発熱:Artesunateによる癌細胞の細胞死の結果として起こる。発熱は効果が出ているサインと考えられるので、様子をみるのみで処置は特に必要ない。

3。その他、稀に、血液の異常(網状赤血球の減少など)や肝機能の障害(トランスアミナーゼの上昇)が現れることがある。量が増えると下痢や腹痛が起こることがある。

その他

1。ARINATEは光感受性であるから暗所に保存する。

  注射の場合は、薬剤を調整するときに光りに長時間当てないこと。

2。放射線と喫煙は正常細胞のトランスフェリンレセプターの量を増やして鉄イオンの取り込みを増加して正常細胞の障害を引き起こして副作用の原因となる可能性がある。

3。進行の早い癌は細胞表面のトランスフェリンレセプターの量が多いので、ARINATEの効果が現れやすい。

4。併用を禁止すべき薬剤の報告はない。

漢方薬との併用

Artesunateと漢方薬を同時に服用しない方が良いが、朝と夕食前に、免疫力や解毒力を増強する作用や、血液循環を改善したり血液浄化作用のある漢方薬を併用することは、Artesunateの抗腫瘍効果を高めることができる。

アルテミシニン誘導体の抗腫瘍効果の文献的考察

Cytotoxic terpenoids and flavonoids from Artemisia annua.(青蒿に含まれる殺細胞性のテルペノイドとフラボノイド)

Planta Med, 60(1):54-57, 1994

(要旨)青蒿(Artemisia annua)から分離されたテルペノイドとフラボノイドの抗腫瘍活性(殺細胞活性)を種々の培養癌細胞を用いて検討。Artemisinin と quercetagetin 6,7,3',4'-tetramethyl ether が癌細胞に対して強い殺細胞活性を示した。

The anti-malarial artesunate is also active against cancer.(抗マラリア薬のartesunateは癌に対しても効果がある)

Int J Oncol ;18(4):767-773, 2001

(要旨)Artesunateは、中国生薬の青蒿(Artemisia annua)の活性成分であるartemisininの半合成誘導体であり、多剤耐性のマラリアに対して著明な治療効果を持つ。この論文ではArtesunateの抗腫瘍活性を55種類の癌細胞株について検討した結果を報告。

Artesunateが最も効果を示したのは白血病と大腸癌であり、50%増殖阻止濃度は1~2μMの濃度レベルであった。

非小細胞肺癌が最も感受性が悪く、50%増殖阻止濃度は10~40μのレベルであった。

メラノーマ、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、中枢神経系腫瘍、腎癌に対しては中間のレベルの抗腫瘍活性を示した。

Artesunateの抗腫瘍作用を示す濃度は、通常の抗がん剤と同じレベルであった。また、通常の抗がん剤に耐性の癌に対しても抗腫瘍活性を示した。Artesunateは毒性が低いので、癌治療薬の有望な候補と考えられる。

mRNA expression profiles for the response of human tumor cell lines to the antimalarial drugs artesunate, arteether, and artemether.(抗マラリア薬のartesunate, arteether, artemetherに対するヒト癌細胞株の反応を示すmRNA発現プロフィール) Biochem Pharmacol;64(4):617-623, 2002

(要旨)抗マラリア薬のartemisinin の誘導体である artesunate, arteether, artemetherは著明な抗腫瘍活性を持っている。この論文ではこれらの物質の抗腫瘍活性のメカニズムを、遺伝子発現の面から他の抗癌剤と比較検討。その結果、artemisinin 誘導体の抗腫瘍活性のメカニズムは既存の抗がん剤とは異なることが示唆された。

(追記)

◯ 上記の記述は2002年ころの、アルテミシン治療を開始した時点の記事です。その後、アルテミシニンの抗がん作用の研究は進展しています。抗マラリア薬としてアルテミシンを開発した中国の女性科学者のTu Youyou博士は2015年にノーベル賞を受賞しています。(アルテミシニン誘導体の抗がん作用に関する最新の情報はこちらへ)

◯ アルテスネイトはがん細胞にフェロトーシスという特徴的な細胞死を誘導します。

フェロトーシスはがん細胞に多く含まれる鉄イオンが関与する細胞死で、がん治療において注目されています。(詳細はこちらへ)





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