舳解き放つ~「水の祓い」

http://shizenfukuchi.jugem.jp/?eid=158 【秘儀伝承【天津祝詞と裏の禊ぎ(下)】】より

◎天津祝詞の秘解

天津祝詞(あまつのりと)の詞中に、

「筑紫(つくしの)日向(ひむか)の橘(たちばな)の小戸(をど)の阿波岐原(あはぎはら)に」とある。

実例として「ツ・ク・シ・ノ・ヒ・ム・カ・ノ・・・」の部分を言霊解釈によって一語一語秘解してみる。

ツ・・実相、真如(さとり)決断力なり。照応力なり。

ク・・暗闇の交代なり。深奥の極。その他。三大暦。

シ・・世の現在。天の橋立。皇国の北の極。

ノ・・天賦のまま。産霊(むすび)の子。障り無きなり。

ヒ・・顕幽貫徹。狂い無きなり。本末一貫。

ム・・押し定む也。国の億兆を成す。真身(みま)の結び。

カ・・晴れ見る。際立ち変わる。光り輝くなり。

ノ・・続くの言なり。

さらに上記を合わせて秘解すると・・。

『実相・真如の顕彰にして、一切の事物を照応し、決断力を具有して、暗黒の界を照変し、神政を樹立し、御倉棚の神なる大宇宙の経倫の三大暦、すなわち恒天の暦、太陽暦、太陰暦の大本元をきわめて、深甚にして玄妙なるの極を闡明し、現在の世を済するために、天の橋立なる皇国(日本)の北の極に、天賦自然の産霊子(むすびのこ)を生成化育して、障りなく狂いなく、顕幽一貫・本末一貫を以て、万象を押し定め、真身(みま)のむすびに依りて、国の億兆を悉皆完成し、光輝をもって神徳を発揚し、晴天白日の瑞祥を照らし・・・』

という意味になるのである。

この祝詞全体をこのようにすべて秘解できるのだが、面倒くさいので、これは、この辺でやめておく。

読者におかれては、絶え間なく修道・修学し、魂を磨いてゆき、自得するよう願います。不断の努力あらば言霊の修得でも何でも必ずできます。

◎大祓祝詞に表現された祓えの威力

以下に「大祓祝詞」の後段の部分を記す

『科戸の風の天(あめ)の八重雲を吹放つ事の如く

朝の御霧夕の御霧を朝風夕風の吹掃事の如く

大津辺に居る大船を舳解放艫解放て大海原に押放事の如く

彼方の繁木が本を焼鎌の敏鎌以て打掃事の如く』

これは祓いの威力を比喩しているものであるが、同時に四つの祓いについて述べている。

科戸の風~。これは「しなとの風」。「死なずの風」であり、志那津彦(経津彦命)の風のこと。風の神であり不断の風を送る。この風が、八重雲(ヤヘクモ)を吹き放つ如く、ということであり、これは「風の祓い」を意味する。

朝(あした)の御霧 夕(ゆうべ)の御霧(みぎり)~。

これは「日(火)」の光によって霧が晴れる。つまり、「日(火)の祓い」である。

大津辺(おほつべ)に居る~。これは大船を舳・艫を解き放つ如く。海潮すなわち「水の祓い」である。

彼方の繁木(しげき)が~。茅などを焼鎌の敏鎌(とがま)をもって打掃(うちはらう)。「地の祓い」である。

 

「茅輪神事(茅の輪くぐり)」は、これに倣って行うものであり、「地の祓い」の一つ。

左旋・右旋(左・右・左)して最後に真中をゆくのは、造化三神であり、カムロギ・カムロミであり、茅の輪は、天の岩戸であり、天照皇大神である。

「大祓詞」の後段には、四つの「風・火・水・地」の祓いが記されているのである。この点、よくよく考察されたし。

また「天津祝詞」に記された、「祓戸の大神」がどのような神なのか?どのような御神名なのか?ということが一番大切なことになる。

ご神名を知ることは、その神の本質を知ることに通じているからである。

【天津祝詞と裏の禊ぎ(完結篇)】へとつづく!


http://shizenfukuchi.jugem.jp/?cid=32 【秘儀伝承【天津祝詞と裏の禊ぎ(完結篇)】より

◎「天の岩戸」事件の真相

先の大祓詞のなかでは、神々が「神集い(かむつどい)」し、「神議り(かむはかり)」を行なったことが記されている。

有名な「天の岩戸」の事件。天照皇大神が、天の岩戸にお隠れになった。そのことによって、世を照らす光は失われ暗黒の時代になってしまった。

天津神たちは協議して、諸々の神事を以て、この事件を解決し、天津罪・国津罪を「ハライ」やることを行った。スサノオノミコトの高天原(天上)追放である。

天の岩戸の事件の直接の原因は、神御衣を皇神に奉献する為に天照皇大神が織女(おりめ)に御機織(みはたおり)をさせていた。その御機屋にスサノオノミコトが「天の斑駒(天馬)」を皮剥ぎして逆さまに投げ入れた。驚いた織女が不都合な怪我によって死んでしまう。そのことに嘆いた大神がお隠れになってしまう。

要するに御機織を邪魔されたことが一番の原因なのである。では、機織りとは何なのであろうか?

それは「玉之緒」を整理することの比喩なのであり、玉之緒とは実は「たましひ」のことなので、霊的な秩序を正しく編んでいたということである。この機能をスサノオ尊は乱暴狼藉で破壊したということである。

◎天津祝詞祓清太祝詞秘辞とは?

古来、天津祝詞祓清太祝詞秘辞(あまつのりとのはらいきめのふとのりとごと)は、謎に包まれていた。あまたの神道学者や国学者が真相を解せんと論じてきた。いまだ統一見解はない。ただ、神社神道(神社本庁)は、本居宣長翁の説と同じで、大祓祝詞全体が秘辞だとするのにしたがっている。

この秘伝の祝詞は、天照皇大神が天の岩戸から出られたときに天津罪・国津罪を祓い清めるために寿言(ことほぎ)された御言葉であり、それは皇御親イザナギ大神が筑紫の日向で禊されたときに言われた詞でもある。

かつて大祓の際に、祝詞を司掌していたのは、中臣家であり、遠祖神は、天児屋根命であるから、この神とその子孫の家系が、この秘辞を管理していたのである。

この伝を知り得ている者は、謹んで正確に密用、お唱えしなければならない。

要するに通常の天津祝詞には、真伝を彷彿とさせる部分があり、平田篤胤大人が秘辞を「天津祝詞」だとしたのは、卓越した方だということを証明している。

であるから「天津祝詞」を普段から朗々とやってみなさい。さらにお滝の時、遠慮なしに大きな声で奉唱しなさい。

イザナギ大神・天照皇大神たちが、「たましひ」を整理されたときに(※つまり「禊ぎ祓い」したとき)祝われた御言葉だと、その宣説した際のお言葉に沿った祝詞だと認識してやってごらんなさい。

これ、表も裏も超えたところの「禊ぎ祓い」になります。

◎「禊ぎ祓え」の恩頼功徳を説く

最後に「大祓」の恩頼功徳を説こう。

「拾遺集」にこうある。

「みなづきに なごしのはらへ する人は ちとせの命 のふといふなり」

意味は、「六月晦日に、夏越(なごし)の大祓えをする人(の恩頼功徳)は、千歳にまで(およぶ寿命に)延寿するという」義である。

(※恩頼(みたまのふゆ)と読む)

「成仙する」「仙を得る」というのは、福寿(福徳と寿徳)が満ちているということでもある。 

コズミックホリステック医療 俳句療法

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