Facebook・小早川 智さん投稿記事
やっと、世界的科学雑誌『Cell』がオイラに追い付いてきたか。
Cell Press 7月1日 Cell Report誌の #新型コロナウイルス 感染症の胃腸障害の総説。
感染は腸-血液バリアを変化、細菌、エンドトキシン、微生物の全身拡散誘導の可能性。
Potential causes and consequences of gastrointestinal disorders during a SARS-CoV-2 infection https://t.co/Gb1ObLIPtQ
小早川 智 さんのコメントです。
味噌の麹菌、酵母によりアミノ酸が短く切断されたペプチドにはACE2 受容体を阻害する働きが有る。
麹菌、酵母菌は日本酒にも豊富。納豆、ヨーグルトも期待出来る。
ACE2を阻害するペプチドは大豆が味噌として発酵が進むにつれ多くなります!!(^-^)/
岡崎の八丁味噌、西尾のハト屋のオーガニック天然味噌がオススメです!!
https://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/21gou/21gou_7.pdf#search='%E6%AF%92%E7%B4%A0%E7%99%BA%E9%85%B5%E9%A3%9F%E5%93%81' 【もろ刃の剣の微生物 】より
人類の英知 発酵食品
日本人は多くの伝統的発酵食品を持っている。日本酒、味噌、醤油、納豆等。発酵食品というのは、微生物の力を借りて作られた食品のことである。例えば納豆というのは、煮豆に納豆菌(Bacillus natto)という細菌を生やし、増殖させたものである。増殖の過程で、納豆菌が大豆中の様々な物質を分解し、また新たな物質を合成し、あのような独特の香りとネバネバを持つ食品が出来上がって来る。日本酒や味噌、醤油では酵母(Saccharomyces cerevisiae)とコウジカビ(Aspergillus oryzae)を利用している。
世界的に見ても様々な発酵食品がある。ビール、チーズ、テンペ等、様々な民族がそれぞれの風土の中で発酵食品を作り、食べている。このように人類は発酵食品を有史以前から作り、利用してきたが、人類が微生物を認識したのは比較的新しい。17世紀後半にオランダのアントニー・バン・レーベンフックが自作の顕微鏡により観察したのが微生物の発見と言われている。その後フランスのルイ・パスツールが19世紀後半に発酵食品は微生物の所産であることを科学的に証明した。60~70℃程度の低温で殺菌することをパストリゼーションというが、これはパスツールの発見をたたえたものである。ちなみに日本酒の製造法では、パスツールによる低温殺菌法の開発の300年程前には低温殺菌を行っている。「火入れ」と言う。
病気を引き起こす微生物
このように19世紀後半から微生物の有用な働きが科学的に解明され始めたが、同時に微生物の持つ負の面も科学的に明らかになった。ドイツのロベルト・コッホが、1876年炭疽感染症が微生物(Bacillus anthracis)により起こることを証明し、感染症が微生物により起きることが初めて明らかとなった。これは病気の原因が科学的に解明された初めての例であり、近代医学の科学的基盤を作ったものである。この科学的発見が契機となり、公衆衛生の向上、治療法の開発等がなされ、現在の高度長寿社会が達成された。この中で抗生物質の発見は、治療法の開発からは特筆に値するが、抗生物質とは微生物が産生する抗微生物活性を示す物質である。その後数々の病原菌が明らかになり、黄色ブドウ球菌、サルモネラ属菌など食中毒の原因菌も明らかになった。日本で明らかになった食中毒菌として腸炎ビブリオ菌(Vibrio parahaemolyticus)があげられる。大阪でのシラス食中毒から藤野恒三郎により見つけられたものである。海産物をよく食べる日本で発見されたことがおもしろい。多くの消費者は、人間が合成的に作った化学物質が食の安全を脅かすものとして危惧しているが、実は最強の発がん物質の一つはカビが作るカビ毒の一種アフラトキシンである。この毒素はAspergillus flavusというカビが作る天然物である。また強力な急性毒性物質としてはフグに含まれるテトロドトキシンという物質が有名である。
名前で判断するな
このように微生物は、食品を作るものであり、また腐敗や食中毒の原因になるものである。病気を起こす原因となり、また治療法を提供するものである。つまり微生物は、人間にとり正負両面を持っている。人類は科学のない時代から試行錯誤により微生物を利用、制御してきた。また、科学により新たな利用法が開発されると同時に負の面も明らかにされてきた。これらの微生物は全く違ったものであろうか。学名を見てみると納豆菌と炭疸菌は同じBacillus属に属する。また日本の発酵食品になくてはならないコウジカビとアフラトキシンを作るカビは同じAspergillus属に属する。名前だけでみると近縁の微生物である。有用な微生物と恐ろしい微生物が近縁であるのは偶然であろうか。現在、様々な微生物について遺伝子配列が解明され、分子進化や環境とのかかわり、毒素産生のメカニズム等、安全性の基盤となるような地道な研究がなされている。人類の歴史を振り返り、名前だけに驚かず、一つ一つの微生物や物質の性質、毒性を科学的に評価し、利用していくことが科学的態度であろう。
https://koizumipress.com/archives/4195 【【熊本の避難所でノロウイルス】感染症対策に発酵食品を!】
熊本地震の被災者が暮らす複数の避難所でノロウイルスによる感染症が拡大しています。初めてウイルスが検出されたのは地震発生から4日後の4月18日、熊本市内の避難所で3人が下痢や吐き気を訴えました。南阿蘇村の避難所でも25人が症状を訴えていて、23日にノロウイルスを検出、26日には新たに2人が感染しました。
多くの人が出入りし、慣れない避難所生活によるストレスや体力の低下に伴い、抵抗力が落ちている人が多いでしょう。避難所で流行する感染症は他にも、インフルエンザ、肺炎、百日咳、ウイルス性肝炎などさまざまあります。感染症以外でも、気温が上昇してくると食中毒の心配も出てきます。
避難所ではトイレなど衛生面も問題になっています。マスクの装着、手洗い、うがいなどを徹底したいものですが、断水などが続くと限界もあります。そこでお勧めしたいのが発酵食による感染症や食中毒の予防です。細菌やウイルスの感染を防ぐのは免疫力ですが、免疫細胞をつくっているのは腸です。発酵食品はその腸内環境を整えてくれるので、元気な免疫細胞をつくれるようになり、感染症や食中毒を予防するのです。
納豆、漬物、味噌汁、ヨーグルト、チーズなど、避難所でも入手できるものを毎日摂るようにしましょう。納豆をストックしておくのは大変ですが、乾燥させた「ドライ納豆」なら量がかさばらず、長期保存もできます。
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180911-00096461/ 【O157など凶悪な細菌が「味噌」で死滅は本当か】
著名な料理研究家が、SNSで「味噌の殺菌効果」はO157のような凶悪な食中毒菌も死滅させ、これまで、味噌に関する食中毒の報告例は一件もないと述べて話題になっている。本当だろうか。
危険な病原性大腸菌の感染症
先日、大分県豊後高田市や長野県上田市で腸管出血性大腸菌O121の感染者が出た。O121はO104、O111、O157などと同じ腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic Escherichia Coli、EHEC)の一種で、ベロ毒素(Verotoxin、志賀様毒素=Shiga-Like Toxin)を出す凶悪な大腸菌だ。これらの細菌に感染すると、血便を伴う下痢や嘔吐、腹痛、発熱といった症状を引き起こす腸管出血性大腸炎になる(※1)。
大腸炎ですめばまだいいが、数日から2週間ほど経過した後、数%から10%ほどの危険率で溶血性尿毒症症候群(Hemolytic-Uremic Syndrome、HUS)を発症する。
日本腎臓学会の「溶血性尿毒症症候群(HUS)の診断・治療ガイドライン」(2018/09/11アクセス)によれば、HUSにより赤血球が破壊されて起きる溶血性貧血、血小板の減少、急性腎障害、そして急性脳症や心不全などの合併症、慢性腎臓病、糖尿病、認知行動障害、消化器官などへの後遺症が起きる。HUSの致死率は1~5%ほどといわれ、すぐに輸血や人工透析などの治療をしないと危険な状態になる。
病原性大腸菌感染症の予防としては、食品をよく加熱し、調理後はなるべく早く食べること、またヒトヒト感染も起きるので手洗いの徹底も推奨されており、腸管出血性大腸菌による感染症を確認した医師は直ちに保健所などの行政へ届け出る義務がある。
こうした病原性大腸菌は、栄養や水分のある温かい環境で容易に繁殖し、感染力も強い。例えば、通常の食中毒菌は100万個ほども必要だが、O157の場合は100個ほどの感染で病気を引き起こし、その毒性はサリンより強いといわれる。
また、O157は土中や水中などの環境中で数ヶ月も生存し、家庭の冷凍庫といった低温環境でも死なず、胃酸にも溶けずに大腸で繁殖する。一方、熱には弱く、75℃で1分間加熱すると死滅する。
これら腸管出血性大腸菌、カンピロバクター(Campylobacter)やサルモネラ(Salmonella)などの食中毒菌は、気温と湿度の高い季節に繁殖する。一方、ノロウイルス(Norovirus)などのウイルス性の食中毒は寒い季節に発生することが多い。
味噌も微生物によって作られる
凶悪な毒素を出すO157が、味噌で死滅するかどうかネット上で話題になっている。著名な理研究家がSNSで発信した情報によるものだが、果たして味噌はそれほど強い抗菌力を持っているのだろうか。
そもそも味噌も微生物を使った発酵によって作られる。全国味噌工業協同組合連合会の「みそ健康づくり委員会」のHP(2018/09/11アクセス)によれば、主に大豆と米麹、大豆と麦麹、大豆と豆麹、複数の麹の混合といった味噌があるが、発酵させて味噌にするのは麹菌によるものだ。
我々が普通に暮らす環境中には、カビや酵母菌、乳酸菌(Lactic Acid Bacteria、LAB)が存在するが、ニホンコウジカビ(アスペルギルス・オリゼ=Aspergillus oryzae)などが味噌や日本酒、醤油を作る麹菌となる。ちなみに、醤油を作る麹菌にはショウユコウジカビ(Aspergillus sojae)もある。
みそ健康づくり委員会のHPには、O157に対して味噌を大量に添加した実験で菌が繁殖できず、徐々に死滅したという記述がある。1997年に行われた財団法人日本食品分析センターによる実験というが、これは全国味噌工業協同組合連合会の連携機関である社団法人中央味噌研究所の委託によるものだった。
この実験の詳細がわからないが、どうやら味噌の製造過程でO157が死滅し、味噌汁などを作る過程でも加熱によりO157は死滅するはずという内容のようだ。また同HPでは、O157だけでなく大腸菌や黄色ブドウ菌などの病原菌が味噌に混入して食中毒を起こしたことは今まで一例も報告されていないという。
ただ、味噌汁などの調理で死滅するのはわかるが、20~30℃という発酵醸成の環境下で完全に死滅するかどうかは疑問だろう。
味噌を造るときに発酵させるが、発酵というのは酸素を使わない生化学代謝のことで、乳酸菌などの発酵菌による反応だ。大腸菌も酸素濃度の低い腸内環境で発酵し、増殖するエネルギーを得ている。
だから、味噌の中という酸素の少ない環境でもO157は増殖することが可能だし、pH2という胃酸のような強酸性や腸内のpH4~6の弱酸性の環境下でも生き残ることができるため、pH4.5~5前後の味噌の中は特に厳しい環境ではない。
塩と有機酸が死滅させるのか
むしろ味噌の中でO157が死滅するのは温度もあるが、味噌造りで大量に使われる塩(12%前後)による浸透圧と水分の少ない環境、味噌の発酵過程に関与する乳酸菌や酵母菌などの抗菌力のある他の細菌の作用と考えられる。特に、細菌が作り出すバクテリオシン(Bacteriocin)という他の細菌に対する抗菌作用を持つタンパク質やペプチドの存在が重要だ。
バクテリオシンは、我々の身体に共生する常在菌からも作り出されていると考えられているが(※2)、乳酸菌が作り出すナイシンA(Nisin A)というグラム陽性菌に対する抗菌性ペプチドが有名だ(※3)。
味噌の中のエンテロコッカス属(Enterococcus)やラクトコカス・ラクティス(Lactococcus lactis)という乳酸菌のバクテリオシンには、枯草菌(Bacillus subtilis)類などに対する抗菌性を持つものがある(※4)。
また、味噌ではないが、発酵ソーセージやチーズのラクトコッカス属(Lactococcus)の乳酸菌がO157や黄色ブドウ球菌に対するバクテリオシンによる抗菌性があることもわかっている(※5)。ただ、味噌のバクテリオシンが、O157などの病原性大腸菌に有効かどうかについての研究はまだないようだ。
むしろ、乳酸菌が作り出す乳酸(Lactic Acid)に抗菌作用があるのではないかという研究も多い(※6)。これは、乳酸が大腸菌の外膜を破壊することで死滅させるのではないかと考えられているが、pH値ではなく短鎖脂肪酸(Short-Chain Fatty Acid)などの有機酸(Organic Acid)に抗菌作用があるというわけだ。味噌にも乳酸や酢酸、クエン酸、コハク酸といった有機酸が含まれている。
ただ、味噌はチーズなどの乳酸菌類とはバクテリオシンも異なり、味噌に含まれる有機酸のO157などの病原性大腸菌に対する効果も不明であり、味噌の抗菌力を過信するのはどうだろう。
医薬品と同じで、微生物にも作用と反作用があり毒にも薬にもなる。発酵食品の製造過程で日和見的な病原性の真菌によるカビ毒(マイコトキシン=Mycotoxin)が残ったり、常在菌のバランスが崩れると逆に病気を引き起こすことがあるが発酵と腐敗は紙一重だ。
特に、最近は健康志向から減塩味噌も増えてきた。味噌の抗菌力の重要な要素と考えられる塩分が少なくなれば、これまで通りの工程管理でいいのかという疑問もわく。
加熱処理や時間、発酵環境の管理不足などにより、発酵食品でも病原性大腸菌が繁殖することが知られているが(※7)、発酵過程で生成される生物由来のアミン(Biogenic Amines)が有害なのではないかという指摘もある(※8)。
もちろん味噌や納豆、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品には大きな利点もあり、有効に活用したい。味噌の抗菌作用はまだはっきりわかっていないが、味噌の乳酸菌が一種のバクテリオシン的な機能を持つ有機酸を作り出すのも事実だ。
食品はよく加熱し、常温に長く放置せず、手洗いなどの衛生管理をしっかりすれば、味噌に漬けずとも食中毒を防ぐことができる。味噌の抗菌力を過信せず、味噌汁などを美味しく召し上がっていきたい。
※1:A B. O'Brien, et al., "Purification of Shigella dysenteriae 1 (Shiga)-like toxin from Escherichia coli O157:H7 strain associated with haemorrhagic colitis." The LANCET, 1983
※2-1:J R. Tagg, et al., "Bacteriocins of gram-positive bacteria." Bacteriology Reviews, Vol.40(3), 722-756, 1976
※2-2:Gregor Reid, et al., "Microbiota restoration: natural and supplemented recovery of human microbial communities." nature REVIEWS MICROBIOLOGY, Vol.9, 27-38, 2011
※3:G W. Buchman, et al., "Structure, expression, and evolution of a gene encoding the precursor of nisin, a small protein antibiotic." The Journal of Biological Chemistry, Vol.263(31), 16260-16266, 1988
※4-1:Takumi Onda, et al., "Widespread distribution of the bacteriocin‐producing lactic acid cocci in Miso‐paste products." Journal of Applied Microbiology, Vol.92, Issue4, 695-705, 2002
※4-2:T Kato, et al., "Growth of nisin-producing lactococci in cooked rice supplemented with soybean extract and its application to inhibition of Bacillus subtilis in rice miso." Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, Vol.65, 330-337, 2001
※5-1:Michael G. Ganzle, et al., "Effect of ecological factors on the inhibitory spectrum and activity of bacteriocins." International Journal of Food Microbiology, Vol.46, Issue3, 207-217, 1999
※5-2:E Rodriguez, et al., "Antimicrobial activity of pediocin-producing Lactococcus lactis on Listeria monocytogenes, Staphylococcus aureus and Escherichia coli O157:H7 in cheese." International Dairy Journal, Vol.15, Issue1, 51-57, 2005
※6-1:H L. Alakomi, et al., "Lactic Acid Permeabilizes Gram-Negative Bacteria by Disrupting the Outer Membrane." Applied and Environmental Mirobiology, DOI: 10.1128/AEM.66.5.2001-2005.2000, 2001
※6-2:S C. Ricke, "Perspectives on the use of organic acids and short chain fatty acids as antimicrobials." Poultry Science, Vol.82, Issue4, 632-639, 2003
※7:L Sartz, et al., "An outbreak of Escherichia coli O157:H7 infection in southern Sweden associated with consumption of fermented sausage; aspects of sausage production that increase the risk of contamination." Epidemiology and Infection, VOl.136(3), 370-380, 2008
※8:G Spano, et al., "Biogenic amines in fermented foods." nature Europiean Journal of Clinical Nutrition, Vol.64, S95-S100, 2010
https://www.homes.co.jp/life/cl-hobby/cm-beauty/9700/ 【免疫力を高める発酵食品は? おいしく身体も肌も整えよう】 より
腸の働きで免疫力をアップ
食べたものを消化吸収し、いらないものを排泄してくれるのが腸の働きです。腸壁の細胞壁のターンオーバーは約2~3日と言われています。肌が約28日で生まれ変わるのに対して驚異的な早さですね。それだけ有害物質にさらされ、その吸収をブロックしてくれています。
また、小腸には消化吸収という大切な役割のほかに、免疫力を高めるという重要な役割も担っています。
免疫細胞の約7割が集まるともいわれています。さらに、恋をすると分泌され幸福感をもたらすセロトニンも、約8割は腸が作り出しているといわれており、セロトニンが減ってしまうと気分が落ち着かなくなったりイライラしやすくなったりします。
単なる消化器官にとどまらず、さまざまな働きをしてくれる腸。肌の状態だけでなく、一見すると腸とは関係なさそうに思えることも、腸内環境を整えることで変えることができるかもしれません。
腸内フローラとは
私たちの腸には約1000兆個の菌が住んでいると言われ、その菌の種類やバランスはひとり一人個性が違うように人によって、さらに日によってもさまざまです。この腸内の細菌の形を腸内フローラ(花畑)と呼んでいます。
善玉菌:悪玉菌:日和見菌という菌の名前を聞いたことはあるでしょうか。悪玉菌は必要ないというわけでなく、この3つがバランスよく共存していることが大切です。理想的な比率は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌が3:6:1といわれています。
この腸内フローラを悪化させる要因に、偏食や暴飲暴食、添加物や加工食品、抗生物質の過剰摂取などがあります。また、ストレス過労、便秘や運動不足なども関わります。現代のライフスタイルでは、どれも完全に防ぐことは難しいですね。
まずは食事を見直して、腸が喜ぶ食習慣を身につけましょう。
善玉菌のエサとなって腸を整える発酵食品
腸内環境の改善におすすめの食品はいくつかありますが、その代表格が発酵食品です。「菌活」という単語が広まり、日本で古くから伝わる発酵食品は、今改めてその魅力に注目が集まっています。
発酵食品は、発酵の過程で菌が栄養素を分解し新たな栄養素をつくり出しています。
すでに、半分ほど分解されているので、消化に伴う腸への負担が少なく効率よく栄養を摂取できます。さらに、善玉菌のエサとなって腸を整えます。
菌を摂取しても、胃酸でほとんど消滅してしまう上、生きて届いても腸内に定着することはないので、日々菌を取り入れることが大切です。
免疫力アップの発酵食品① 漬物
日本の食卓に欠かせない発酵食品のひとつに漬物があります。漬物は地方ごとの農産物や気候などによってさまざまな種類があるのが特徴です。
代表的な塩漬けのほか、ぬか漬けや酢漬け、粕漬けなど。漬ける条件によって、風味や味わいが変化していくのも、生きている発酵食品ならではの魅力ですね。自分で漬けると塩分なども調整できます。
また、白菜などを塩漬けした後、ニンニクとトウガラシで漬けた韓国のキムチや、野菜を味付けした酢に漬けた西洋のピクルスも漬物の一種です。
免疫力アップの発酵食品② 腸内環境を整える乳製品
美容のためにヨーグルトを食べているという人も多いかもしれませんが、腸内環境を整え、免疫力アップにも効果的です。
ヨーグルトの乳酸菌は善玉菌のエサになり腸を活性化してくれます。
ヨーグルト菌にはビフィズス菌、ブルガリア菌、ガゼイ菌などさまざまな種類があり、腸を整えるという点では共通していますが、効果はそれぞれなので、自分にあったヨーグルトを探してみてください。
牛乳の成分をぎゅっと凝縮して作られるのがチーズ。栄養素やうま味成分も豊富なので、おやつやおつまみにもおすすめです。食品表示にナチュラルチーズと表記されているものを選びましょう。
免疫力アップの発酵食品③ 血液サラサラの納豆
煮た大豆に納豆菌を加えて発酵させた納豆。発酵食品の菌は、熱や胃酸に弱いものが多い中、納豆菌は丈夫で生きたまま腸に届きます。
血液をサラサラにするといわれるナットウキナーゼをはじめ、ビタミンK2やアンチエイジング効果のあるポリアミン、記憶力を高めるレシチンなど、注目の栄養素が多数含まれています。
免疫力アップの発酵食品④ 味噌や酢などの発酵調味料
毎日使うみそやしょうゆ、酢、みりんなどの調味料は取り入れやすい発酵食品ですね。
選ぶときに意識したいのが本物を選ぶこと。食品添加物は腸内細菌の活動を抑制してしまいますが、現代社会で添加物をいっさい取らないというのは難しいでしょう。毎日使う調味料はせめて後ろのラベルを見る習慣をつけてみませんか。
例えば、昔ながらのしょうゆは大豆、小麦、塩、麹で作られ、ゆっくり発酵する過程で体にいい菌や栄養が生まれます。
反対にアミノ酸液やブドウ糖果糖液糖などの添加物が加わると、発酵の力も弱まります。
みりん風調味料ではなく、もち米と米麹、アルコールから作られた本みりんを普通酒ではなく、水、米、麹のみで作られた純米酒を、というように選ぶと、より発酵の恩恵を受けることができるのです。
免疫力アップの発酵食品⑤ 美肌ビタミンとも呼ばれる塩麹、しょうゆ麹
みそやしょうゆ、甘酒などの発酵食品を作るときに使われるのが麹です。
麹菌は日本の気候風土から生まれる特有の菌で、長い間私たちの健康を支えてきてくれた国菌なのです。塩麹やレモン麹などが話題になり、試したことある方も多いのではないでしょうか。たくさんの酵素を含み、食べ物の消化吸収を助けたり、代謝される時に美肌ビタミンとも呼ばれるビタミンB群が作られたり、嬉しい作用がいっぱいです。
塩麹やしょうゆ麹は、米麹に塩やしょうゆを加えて混ぜるだけでできる簡単調味料。料理の味を整えるだけでなく、酵素の力で肉や魚を柔らかくしてくれます。常備しておけば食生活を充実させてくれる調味料です。
自分にあった発酵食品を見つけよう
ここで紹介させていただいた発酵食品はほんの一部。腸内フローラはひとり一人違うように、人によって自分に合う発酵食品は変わってきます。
「自分の体や心が調子いい」と感じる発酵食品をぜひ見つけてみてください。
食事は薬ではないので、すぐに効果が出るわけではありませんが、肌が荒れてしまったとき、病気ではないけれど体調がすぐれないとき、少しだけ食生活を振り返ってみることが大切です。毎日ちょっとずつ意識するだけでも、徐々に肌や体調、気持ちに変化が出てくるのを実感できるはずです。
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/87.html 【おとなに増えている百日咳(ひゃくにちぜき)】 より
百日咳は子どもの病気?
百日咳は、子どもの病気というイメージがあります。たしかに、従来は子ども、それも乳幼児に多い病気だったので、おとな(成人)には関係ないと思われていました。 ところがその百日咳が、おとなに急増しています。国立感染症研究所感染症情報センターによると、患者に占める成人(20歳以上)の割合が2001年にはわずか2.8%だったのが、この10年間毎年増え続け、2010年(1~4月)には56%に達しました。つまり、現在では半数以上が、おとなの患者さんなのです。 しかもこの数値は、全国約3000カ所の小児科での報告に基づくものなので、内科などでの数(見過ごされている数もふくめて)を加えると、もっとずっと多いと考えられています。 そのわりにあまり話題にならないのは、おとなの場合、百日咳にかかっても咳が長引く程度で、重症化する例が少ないからです。しかし、百日咳は感染力が強いので、すでに感染した人の咳などから次々に感染し、職場や学校での集団感染も起きています(※1)。 さらに深刻なのは、おとなから子どもへの感染です。とくに、乳幼児に感染すると、ひどい咳が出て、ときには死にいたるほど重症化しやすいのです。また、肺炎や脳症などの合併症も起こしやすい、とても危険な病気です。 自分の健康のためだけでなく、子どもや孫たちにうつさないためにも、長引く咳には注意が必要です。
(※1)百日咳は、百日咳菌という細菌の感染によって起こります。ただし、細菌がどのように作用して咳などの症状が出るのかなど、発症の仕組みはまだはっきりとは解明されていません。
百日咳の主な症状とは
百日咳の症状は、子どもとおとなではかなり違います。乳幼児をふくむ子どもの場合、次のような典型的な症状がみられます。
(1)風邪に似た症状(2週間程度)
咳やくしゃみなどが続き、次第に咳がひどくなってきます。この期間を、カタル期といいます。
(2)発作性の咳(2~3週間)
百日咳の特徴の一つである、連続的な短い咳と息を吸うときにヒューと音のする発作が起こります。また息を詰めるため、顔などに浮腫(はれ)や内出血がみられることもあります。この時期を痙咳期(けいがいき)といいますが、乳児の場合には咳をあまりせずに無呼吸状態になったり、けいれんを起こしたりし、呼吸停止に至ることもあります。また肺炎や脳症を併発することもあり、もっとも危険な時期です。
(3)少しずつ回復(2~3週間)
発作が減り、咳も次第におさまってきます。ただし、急に発作がぶりかえすこともあります。この時期を回復期といいます。
最初の咳の症状から咳が出なくなるまで、3カ月程度はかかるため、昔から百日咳と呼ばれてきました。
これに対しておとなの場合には、感染してもコンコンという咳が長く続くだけで、発作などの症状はほとんどみられません。そのため風邪による咳と間違えることが多いのですが、咳が1週間以上続く場合には、百日咳を疑ってみたほうがいいでしょう。
咳だけとはいっても、激しい咳が続くと体力が奪われ、ほかの病気にもかかりやすくなります。夜間に咳が出ると睡眠不足におちいり、日常の仕事にも影響を及ぼします。また、同じように咳が続くほかの病気の可能性もあるので、いずれにせよ早めに受診して治療を受けることが大切です(※2)。
子どものころに予防接種をした人でも、ワクチンの効果は次第に薄れるので、百日咳菌に対する免疫力は低下します。それが、おとなの患者が増えている一つの原因とも考えられています。
(※2)百日咳は細菌感染によるものなので、治療はマクロライド系の抗生物質によるものが主流です。薬は初期(カタル期)ほどよく効きます。
マスクで感染と悪化を防ぐ
百日咳の細菌は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染によって広がります。また、咳やくしゃみをおさえた手で何かにさわり、そこから接触感染をする場合もあります。 細菌の排出がもっとも多いのは、咳が出始めてから2~3週間程度(カタル期)です。したがって咳が出たら、まずマスクをしてほかの人に感染させないように心がけましょう。また、接触感染を防ぐためには、手洗いをきちんとすることも必要です。 とくに、予防接種をしていない乳幼児が近くにいる場合には、感染させないように十分に注意することが大切です。 咳は、ちょっとした刺激で出やすくなります。タバコの煙、ほこり、冷たい風、乾燥などに誘発されることが多いので、自分が禁煙をすることはもちろんですが、咳が出ているときは人ごみなどをさけるようにしましょう(※3)。 マスクは、ほかの人への感染を防ぐだけでなく、冷たい風や乾燥による刺激から自分を守る役割もします。とくに高齢者の場合、咳の症状をこじらせると肺炎や気管支炎などを併発することもあるので、マスクをきちんと着用しましょう。
(※3)百日咳は一年をとおして感染がおこりますが、初夏と秋に増えやすい傾向がみられます。また数年ごとに急増をくり返す傾向もあるので、ニュースなどで百日咳が話題になる年にはとくに気をつけましょう。
https://www.weblio.jp/content/%E7%99%BE%E6%97%A5%E5%92%B3%E8%8F%8C%E6%AF%92%E7%B4%A0 【百日咳菌毒素 [Bordetella pertussis toxins]】
百日咳菌が産生する細胞障害や致死作用を現す細菌毒素である。
(1)白血球とくにリンパ球を著しく増加させる白血球増多因子
(2)ヒスタミンやセロトニンなどの生体アミンに対する感受性を著しく増強させるヒスタミン増感因子
(3)膵臓からのインシュリンの分泌を促進させ、末梢血中のインシュリン量を高めるインシュリン分泌活性化タンパク質
(4)熱にきわめて弱く、出血や壊死をおこす易熱性毒素 (以上はタンパク質)
(5)上皮細胞のDNAを阻害する糖ペプチドの気管上皮細胞毒素
(6)内毒素として菌体表面のリポ多糖 などが知られている。
この内、(1),(2) ,(3)は同じタンパク質と考えられるので、これらは百日咳毒素とよばれることがある
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